モノ作りの現場から(アーカイブ) | 読みモノ(アーカイブ) | 最新のコンテンツはこちらです
ホーム > モノ作りの現場から > agari 東山風 #002



アクリル加工をメインにプロダクトデザインを手がけるデリバリーワークスの俵藤さんを取材しました。



アクリルを始めたきっかけ

子供の時はアクリルしか知らなかった。
親父がアクリル工房をやっていたから。
でも、デザインを学んでいた学生時代はむしろ、
木の家具の方が暖かみがあって好きだったかな。
アクリルは無機質で、家具にもしにくいっていう
勝手な思い込みも当時はあって・・・。
卒業してしばらくは設計事務所や
メーカーの企画設計部で働いたが「やっぱり‘作り手’だな。」
と思い、親父の会社で働き始めたのがきっかけかな。






アクリルの可能性

アクリルには“傷がつくと嫌だ”っていう既成概念がある。
お客さんから透明なアクリルで家具を作りたいって言われると、
自分でも実際は抵抗があるし。「え、傷はつくよ。」って。
でも、形あるものはどんなものでも
いずれは傷がついて朽ちていく。
木の家具も使っていれば当然傷はつくし。
でもそれが味になっていくでしょ。


“アクリル=透明で光沢がある”っていう概念を変えたら、
家具にも落としこめるかもしれない。
そう思って今回の作品は最初からキズがつくことを
前提に考えて、表面をサンディングしてみた。
一見すると真っ白にしか見えないけど、テクスチャーが出て、
手垢がついても目立たなくなった。


一般にはまだ、アクリル板をただ切り張りして
形作っていくことが多いけれど、
材料作りから考えればまだまだ幅が広がるかもしれない。
今回の椅子は2色のアクリルパーツを重ねてパターン化し、
材料から作ることにもチャレンジしてみた。
これからはアクリルという素材をもっと知らなきゃいけないし、
とことん素材に向き合う必要がある。






今回の作品について

板をひたすら積むというのは思いついたことがある人はいても、
みんなやろうとはしなかったと思うんだよね。
ガキの時からまわりにアクリルの破片がごろごろしてたから、
それを積み重ねて接着して、
オブジェみたいなのばっかり作ってた。
それを大きく、椅子にまでしてみたいと思って
今回の椅子を思いついた。
で、どうせやるなら斜めに積んでやろうと。


椅子の形自体はデザインを主張しすぎない
シンプルで分かり易い、“アイコン”みたいな感じにしたかった。
自分にとってはプロトのような存在で、
ここから発展していくような形。
今回はアクリルの可能性を見せたくて、
いろんなものを出してみたけど、次はテーマを絞って、
例えば積層のシリーズとか作りたいと思っている。



東山風 (1971生)
鉄をあつかう技術を幅広く持つ工房で修行。
その後、家具メーカーの企画開発部で試作・特注製作を担当する。
2002年に独立し、個人邸や店舗の金属を使った家具・什器を製作しています。



#040 2009.12 骨パンダさんと銅の引き戸
#039 2009.06 部屋の息づかい―「シカケモノ」part2
#038 2009.05 「シカケモノ」
#037 2008.08 自分寄りのトロフィー
#036 2008.07 器としてのトロフィー
#035 2007.12 一筆書きのツリー
#034 2007.07 34回目にあたり
#033 2007.06 光のスジミチ
#032 2007.05 照明展への覚え書き
#031 2007.04 蜘蛛の巣
#030 2007.03 旧小坂邸の内と外」
#029 2007.02 2月の現場
#028 2007.01 初夢につられて
#027 2006.12 「シルバー色」は譲れない?
#026 2006.11 科学のじかん −鉄をまなぶ子供たち
#025 2006.10 抜群の切れ味
#024 2006.09 トースターのある机 - Oi design 岡嶌要 -
#023 2006.08 砲弾と包丁
#022 2006.07 わざわざ
#021 2006.06 リズムが生み出す装飾
#020 2006.05 ちょっとの余分
#019 2006.04 鉄を切りながらおもうこと
#018 2006.03 都会の中の「温室」と「学校園」
#017 2006.02 「雪」を伝えるには
#016 2006.01 江戸城跡で「工芸」を見る −鷹は静かに語りかける
#015 2005.12 iPod と フォーク と やかん
#014 2005.11 モノ作りを取り囲む“つながり”
#013 2005.10 ジオグラフ
#012 2005.09 「格子」の向こうに
#011 2005.08 ワニとの出会い −目黒の現場にて−
#010 2005.07 仕上げと防錆
#009 2005.06 黒皮という素材 / モノの行方 -ある博物館にて
#008 2005.05 ぶらり、天文観測所
#007 2005.04 九印
#006 2005.03 錆の話
#005 2005.02 Sieben
#004 2005.01 有限会社菊屋
#003 2004.12 金属の加工について
#002 2004.11 Delivery Works 俵藤ひでと
#001 2004.10 展示会出展家具について