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ホーム > モノ作りの現場から > agari 東山風 #020



SUSコンソール
ステンレスを箱状にして、木板をはめてます。

「何が作れるの?」と人に聞かれ、いつも答えに困ります。
家具、店の什器、サインプレート、アンティークの修理・・・・
思い返せば、クッキーの型から鉄の小屋まで経験としてあるといえば、ある。

しかーし、「なんでもやってます」は、時としてなんかウサンくさいじゃないですか。
確かにオールマイティな職人は、お客さんにとっては頼もしいかもしれない。
でも自分としては、同じモノを作り続ける伝統に支えられた説得力みたいなものが必要なのではないかと、
思い悩んだりもするわけです。


鳥のえさ台
さび加工。


ホントに鳥が来た。


ガラステーブル
クロームメッキ仕上げ。


スツール
ロートアイアン黒染め


エントランス・フレーム

そんなこんなで先日、これまでの仕事をまとめた資料集を
初めて作りました。
(イカンよなー、今までなかったって・・・)
改めて見てみると、自分の仕事ながら、
いろんなモノを作らせてもらったなぁと。
でも、多様なモノの製作は常に、面白みと同時に
プレッシャーがつきまといます。
ほぼ毎回、異なるモノを製作するため、
直線的なモノや曲線的なライン、立体から平面、
仕上げの方法も実にさまざまなうえ、
急な対応が要求されます。
おまけに今回クリアしたとしても、
次いつ同じような仕事が来るか予測不可能。

そんな自分が大切にしているのが、
「技術の引き出し」を作る時間です。

例えば、曲げモノなら1本余分に作り、
その曲げよりも少し複雑な曲げを試してみたり、
磨きならその削り目よりもさらに細かい番手で磨いて
光らせたり、曇らせたり。 
サビ加工なら時間差をつくって表情を変えてみる。

基本的な技術は同じようなもので、
大方その応用なのですが、
1回やったものに何か付け加えた試作バージョンを作って、
手と頭に覚えこませるようにしています。

「自信のなさこそが自分の出来る事をハッキリ見せてくれる」
いや〜、今月号のEXITの記事の(株)渓水の菅野さんの名言
ズッシリときました。ほんとに。

心に作り出したプレッシャーと同居しつつ、
今日も「余分な」モノ作りの時間を過ごします。
そんな余分を集めて、一つの技術につながればいいかと。


東山風 (1971生)
鉄をあつかう技術を幅広く持つ工房で修行。
その後、家具メーカーの企画開発部で試作・特注製作を担当する。
2002年に独立し、個人邸や店舗の金属を使った家具・什器を製作しています。



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#035 2007.12 一筆書きのツリー
#034 2007.07 34回目にあたり
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