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ホーム > モノ作りの現場から > agari 東山風 #036



ごぶさたしております。アガリです。
一年に一回の展示会シーズンが、今年もやってきました。

さて、今回の展示会のお題は「トロフィー&ギフト」です。
で、自分はトロフィーをもらったこともないし、ギフトもあまり贈られるほうでも、
好んで贈るほうでもないので、ものすごく悩んでしまうわけです。

そこで、考えました。
なんで自分は、もらうのも贈るのも、ためらいがあるのだろうか?
それは、自分の馴染みがない、外の世界からやってくるものに対する戸惑いなんじゃないか、
だったら、もらい手が入り込む余地を作ったらいいのではないか、と。

では、そもそも、自分にとって馴染み深い「もの」とはなにか?
そう考えると、それは意識さえもせずに、なんとなく手放せなくて置いてあるものだったりするかも、
と思うにいたりました。

そんなものの代表に、「拾いもの」があります。
川辺や砂浜で、あるいは道ばたで、なんとなく拾い上げて持ち帰ってしまう、あれです。
(そんなことありません?自分は石とか、なんだか光ってるものとか、ちょくちょく拾いますけど・・・)

そんなことを考えていたとき、偶然にも大の“拾いもの好き”に出会いました。
その人の拾いものは、ハンパではありません。
石はもちろん、ペットボトルのキャップから、魚網のおもり、朽ちた空き缶まで、
一見、ガラクタにしか見えないものばかり。
でも、どれも大量に、きちんと透明タッパーのなかに詰め込まれて、山のように積み上げられている。
おまけに見ているうちに、色やカタチ、その他本人の独自のカテゴリーで、分類されていることがわかりました。
いわく、「面白いとおもった一個に出会うと、散歩中、同じようなものが気になり出して、
自然と集めてしまった結果、シリーズ化する」とのこと。



これほどまでではないにしても、
置き場なく、引出しの中にしまったままの「拾いもの」が、
誰にでも一つやふたつあるのではないでしょうか。
なんでもないものだけど、自分にとっては、手に馴染んだり、
その日を刻んでいるものだったりする。

そんなもの達で出来上がる、
トロフィーやギフトがあってもいいのではないか。
そう思い、今回出すものの一つとして、
「拾いものをする人のための壁掛け」を製作中です。

そして、今回のアガリのコンセプトは、
「もらった人が完成させるトロフィー&ギフト」にしました。
これは言ってみれば、器としてのトロフィー。
もらった人が、親しんでいるものや、自分の軌跡となるものを、
生活に馴染むように、組み合わせていける、
そんなものが出来たらなと、思っています。


東山風 (1971生)
鉄をあつかう技術を幅広く持つ工房で修行。
その後、家具メーカーの企画開発部で試作・特注製作を担当する。
2002年に独立し、個人邸や店舗の金属を使った家具・什器を製作しています。



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#038 2009.05 「シカケモノ」
#037 2008.08 自分寄りのトロフィー
#036 2008.07 器としてのトロフィー
#035 2007.12 一筆書きのツリー
#034 2007.07 34回目にあたり
#033 2007.06 光のスジミチ
#032 2007.05 照明展への覚え書き
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#010 2005.07 仕上げと防錆
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