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ホーム > モノ作りの現場から > Delivery Works 俵藤ひでと #003



普段から、旋盤加工をお願いしてる業者さんに改めて、取材という形で伺いました。



旋盤加工とは、工作物を主軸とともに回転させ、
刃物を左右前後に動かして丸く(円状に)切削し、
表面を揃えたり、ネジを切ったりする工作機械を
使用した加工です。

削る素材によって業者さんも別で、
大きく分けてプラスチック加工を得意とする工場と、
金属加工を得意とする工場があります。

今回はプラスチック加工を得意とする、
恵比寿にある「大河原製作所」さんに、
普段のお仕事のお話を聞かせて頂きました。

「オレそういうの苦手なんだよねー」と、
かなりテレくさそうな大河原さん。
15歳からこのお仕事を続けています。

「最初の工場ではいろんな機械で加工やらされてたんだけど、
いつの間にかオレが旋盤担当になってたんだよね・・・」



当然、お勤め修行時代を経て独立しました。

「当時でも機械は高けーかったからなぁ、でもずうっと持つからなー」

それぞれ機械がもつクセって有りますよね?

「あるよ。付いてるメモリとか真に受けちゃダメだね、
こいつのクセを知って、うまく付き合って行かなきゃ」


どれくらいの精度で寸法だせるんですか?

「プラスマイナス5/100ミリはいけるんじゃないかな。
もっとだせって言われればもっと出来るけど、
プラスチックってさ気温の変化で寸法変わっちゃうからなー、
厳密にいうと室温が同じじゃないと寸法は合わないのよ」



プラスチックといっても種類はかなりあります。
ベークライト・テフロン・ポリアセタール・塩ビ・ポリカーボネイト・
FRP・アクリルにもキャスト材と押出し材とあり、
それぞれ性質・膨張率も違い、用途も違います。


「ホント、材質で削る感覚は違うんだよ、
柔らかいの、硬いの、もろいの、アクリルは欠けやすいし、
かと言って押出し材はネバっちゃってキレイにいかないしー」


この仕事長くやってきてるから、いろんな材料に対応出来るんですよね。


「まあ、ほとんどプラスチックはやったことあると思うよ。
刃物を上手く作る事だな、自分でいろんな形作んだよ。
あとね、機械に使われちゃダメ、機械は使うってことだよ。」




「そうだ、オレさ来年1月で工場閉めちゃうんだよ。」


えぇー


「この場所マンションになんだよ、もうこの地域はさ
工場とかやりたくても誘致してくれないんだよ。
前から言われてたんだけど・・決まっちゃった。」


どうすんのこれから、僕も困ります・・・


「オレも歳だしさ、どっか適当に年寄りがやれる仕事に
就こうかとも思ったんけど、前にいた会社が、
じゃーウチでやってよって言ってきてくれて・・
これからはパートタイムだ。
でも良かったよ。この仕事続けたかったし、
って言うかこの仕事しか出来ないし(笑)」


現在の旋盤の機械はデータを入力したり、
パソコンと連動して自動に作業するNCが主流です。
もちろん便利ですし、メリットも大きいですが、
少数ロットのオーダーはなかなか受けてもらえず、
小回りがききません。
大河原さんのような道具を工夫し
アイデアを出してくれる職人さんは減りつつあります。




ちなみに左の作品の指輪の部分も、
大河原製作所さんに加工していただきました。



CAKES RING (rings & case for couple)
material color acrylic, stainless steel
size W50 D80 H18




来月は金属加工を主とする旋盤業者さんの取材レポートを予定しています。

俵藤ひでと (1972生)
ICSカレッジオブアーツ卒
1995年 ひょうどう工芸入社
2002年 デリバリーワークス設立
アクリル加工を中心とする特注家具・照明器具・立体物のデザイン製作
オリジナル家具・照明の企画デザイン・製作・販売



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