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ホーム > モノ作りの現場から > Delivery Works 俵藤ひでと #004



前回に続き旋盤加工の業者さんにお話を伺いました。

私の工場の周りは旋盤加工屋さんが多い(というか左隣りと正面に2軒)。
ここ港区白金という場所は、お洒落な飲食店やショップが多いのでセレブなイメージを持たれるのですが、
実は昔から小さな加工工場が結構あり、業種も様々です。
今回はいつもこまごまとしたモノをお願いしている、主に金属旋盤加工をされている「島谷製作所」さんの工場におじゃましました。島谷さんはとにかく仕事が速く、良く助けて頂いております。



「何を話したらええのかねぇ」と、はにかむ島谷さん。


このお仕事どの位やってらっしゃるのですか。

「見習いの頃もいれると、18歳からやっとる。今は65歳だよ。」


普段はどのような品物を作ってるのですか。

「やっぱり特注モンだね、何かの機械に使われてるホースやノズルのジョイントになるパーツが多いね。」




島谷さんが主に使ってる機械は「ターレット旋盤」と言い、
最大8工程の加工が1台で出来ます。
例えば、面を揃える・寸法の径に削る・下穴を開ける・
ネジを切る・角を取る・寸法の長さに切り落とすなど、
製作するモノによって工具を付け替える事が出来る。

「今は機械とモーターは当たり前に直結しとるけど、
昔は天井にモーターとプーリー(ギヤ)を付けて、
ベルトを上から下げて機械回してたよ。
プーリーだって木製だったしね。
とは言っても今使っとる機械もオレと一緒で年代モンだ。」




使い慣れ年季が入ったスゴイ機械ですよ。
この加工作業の大事なことは何ですか。


「肝心なのは、品物を作るための工具を作ること。
モノを削ることはね、しばらくやってれば出来るようになるよ。
それよりもこの品物を作るためにどういう刃物や型をこしらえるか、
というところに経験が活かされる。」




どのような金属を加工するんですか。

「真鍮が多いかな。鉄・銅・アルミひと通り出来るよ。
ただ生の鉄(私たちが普段目にしている物。開削用ではない。)
とかは削りずらいね。
でも使う用途があるからしょうがないよね、
例えば後で溶接するパーツだとか。」



相当出ますよね、切りクズ。これどう処分するんですか。

「回収業者が引き取りに来るよ、鉄以外は買ってくれる。
1kgいくらってね。真鍮・銅は今130円くらいかな。
昔は30年くらい前は、1kg500円ぐらいで買ってくれたよ。
それこそ、それでひと財産作った人もいたんだから。」




そんなに儲かった人もいたんですね。
バブルの頃とか仕事忙しかったですか。


「今も昔もオレんとこはそれほど変わんないよ。
一人でこなせる量には限界あるからね。
まあこれからは機械もNC(自動)だろうね。
そんなに技術も必要なくなっていくだろうね。
この業界も年寄りばっかで若者が集まらない。
手汚れる仕事はあんまりやりたがらないよ。」




伝統工芸だけでなく、次世代の後継者不足が
この業界にもあります。
どんなにオートマチック化されていっても、最後は人の手です。
技術のある職人が必要だと思います。

機械油の匂いがしみ込んだこの工場。
私はとても居心地の良さを感じていました。

仕事を終え、近所の仲間と飲む一杯。
本日もお疲れ様でした。


俵藤ひでと (1972生)
ICSカレッジオブアーツ卒
1995年 ひょうどう工芸入社
2002年 デリバリーワークス設立
アクリル加工を中心とする特注家具・照明器具・立体物のデザイン製作
オリジナル家具・照明の企画デザイン・製作・販売



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