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ホーム > モノ作りの現場から > Delivery Works 俵藤ひでと #018




先月の製作施工した2件のお仕事の話です。














尾形曜平くん お疲れちゃんでした
一つは銀座にあるレストランの改装の仕事に関りました。
銀座という街の地下にこんなにスペースを持った所があるのかと
びっくりするぐらい広いレストランで、
どこかニューヨークにあるクラブハウスを彷彿させるような異空間でした。

以前、友人の事務所の改装の現場で知り合った、
フリーランスの空間デザイナーの尾形曜平さんとのお仕事で、
このレストランの改装工事は3期に分けて行うらしく、
彼がその設計を全部任されていて、
今回は第1期改装工事という事です。
(あまりにもデカイので、確かに分けないと大変です)

広く吹き抜けた空間の脇にわりと天井の低い部屋があり、
先ずそこからから変えていくそうです。

彼の考えるテーマは「写真で空間を飾る」事で、
イメージに合わせたモノをプロのカメラマンに
スタジオで物撮りしてもらうほどのコダワリでした。

僕の仕事はその写真を使用して、
あんどん(内照式)の約W5000の壁面パネル(既存の物と差し替え)と、
1800 X 900の写真パネルの製作で、
写真を一番キレイでカッコ良く見せる方法として、
透明アクリルの裏面に写真を圧着する
「アクリフォト」(僕らはそう呼んでます)という加工での
製作方法を提案しました。

もともと写真パネル関係の業界で生まれた技術で、
今まで何度もディスプレイの仕事や
フォトグラファーの展示会の演出方法としてやってきました。

2枚のアクリルの間に入れてはさむフォトフレームのように、
写真を入れ替えることは出来ませんが、
絵の表面に奥行きがでてフラット感も強くなり
プロダクトとしての完成度が高くなる。
しかも10mmのアクリルを使用し、
今まで僕が受けた中で最大・最重量でした。約20kg。

本物のアンティークシャンデリアと、
それを撮った写真(しかも実物より大きい)との対比、
とても面白いアイデアだと思いました。
立体と平面。 現実と理想。
時に嘘の世界のほが美しく見えることがあるのかも・・・

これらの写真を撮影したのは、
フォトグラファーの五十嵐真さんという方で、
広告・ファッション誌を中心に活躍しています。

こんなに引き伸ばしても被写体がキレイで驚きました。
スゴイ写真を見せて頂いたという感じ・・・
またプロのこだわりと技術の高さを目の当たりにしました。


尾形デザイン事務所 尾形 曜平
E-mail yheog@mac.com
彫刻の森美術館のcafe、ANTEPRIMA(アンテプリマ)全世界、各店舗の設計など手がけてます。
また、かなりの料理通で飲食店のメニュー開発までしている多彩な人です。
ANTEPRIMA http://www.anteprima.com/

PHOTOGRAPHER / 五十嵐 真
URL http://www.shin-igarashi.com
以前に出版社にいる友人を通じてお会いしていました。
間接的ではありましたがお仕事が出来て良かったです。
ホームページのポートフォリオもカッコいい写真ばかりで、
改めて活躍してる人なんだなと思いました。

DJ Live & Restaurant NB Club
URL http://www.ginzanet.com/nbflash/
銀座にもこんな雰囲気の店があるんだと思いました。
わりと入りやすいと思いますよ。










二つ目は、ホットスタッフの小林良三郎くんからの紹介で
田中雅代さんとのお仕事です。
マーキングフィルムを使ったインテリアの壁面装飾で、
グラフィックデザインから、製作・施工まで、
この部分に関しては全部やらせて頂きました。

もちろん置かれる家具などのからみがありますので、
コーディネーターの田中雅代さんと何度も打合せをして、
モチーフ、色、ボリュームやバランスを考えます。
と同時に考えないといけないことがあります。

マーキングフィルムの規格サイズや粘着力などの
性質を知った上でデザインしないといけません。
フィルムの規格は1M幅までなので、
それを超える絵柄はつなぎになる訳です。
つなぎをどこにもってくるか、
どう目立たないようにするかのディティールも大切なんです。

そしてどこに、どういう素材に貼るのか環境も大事なのです。
どこにでも貼れると思ったら大間違い大変な目に遭います。
基本的に凹凸のない面には大丈夫です。
しかし今回のように壁紙に塗装した面ということで細かい凹凸があり、
その為フィルムが付かなかったり、
逆にマスキングを貼っただけで塗装が剥がれたりと言うこともあります。
事前に塗装面のサンプルを確認し、
場合によってはこちらから仕様指示させてもらいます。

じつは温度も重要なんです。
これはあまり知られてないのですが、粘着力は冷えると低下します。
身近な物だとチューインガムでわかりますね。
噛んでるとネバネバして、冷えると固まります。
この問題もドライヤーで温めたり、室温を上げてもらうことで解決します。
(冬の屋外で相手が金属だったりするとホントに引っ付きません。
何度も泣いたことあります)

僕の場合デザインと製作が密接なので、
そんなこんなを踏まえてつくる訳です。
また理想のイメージと、自分の技術を天秤にかけ、
常に葛藤し悩みながらデザインします。

チャレンジはしますよ、1枚続きの柄では僕の中では最大級です。
しかも一発勝負!
しわがよったり、ずれたりしたら最終回。
緊張感が走ります・・・
でも事前にシュミレーションして準備してくるので、
基本的に出来るイメージをもって向かいます。
無茶をして失敗してはお客さんに迷惑をかける事になります。

「無理はしない。けれど、決してあきらめない。」
登山家にこんな事言った人がいるそうです。
そんな思いです。

とにもかくにもイチからジューまでやらせていただき、
また現場の雰囲気も良くとても楽しい仕事でした。


今回の2つの物件、雰囲気も全然違うのですが共通していたのは、どちらも「絵のある部屋」だったということです。

「絵」も家具の一種ととらえ、
もっと大きなガラス面や、建物の壁面の装飾とかやってみたいですね。



俵藤ひでと (1972生)
ICSカレッジオブアーツ卒
1995年 ひょうどう工芸入社
2002年 デリバリーワークス設立
アクリル加工を中心とする特注家具・照明器具・立体物のデザイン製作
オリジナル家具・照明の企画デザイン・製作・販売



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#065 2010.07 アクリルのトランク型ディスプレイ什器
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#063 2010.05 現代手工業展2010
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#061 2010.03 アクリル引きモノパーツ / 現代美術VOCA展
#060 2009.12 コレクションショー
#059 2009.10 ショップ什器 / 展示会のお知らせ
#058 2009.08 バーテンダー
#057 2009.07 多摩美素材実習
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#055 2009.05 展示会に向けて2/コラボレーション
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