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ホーム > モノ作りの現場から > Delivery Works 俵藤ひでと #029




工場に有った古い「ベークライト」の板材。黒が布ベーク、茶が紙ベークと呼ばれているそうです。
(フェノール樹脂と布や紙が積層になっている板)
表面が硬く、反りづらい印象。芯がある感じです。アクリル板とは異質です。古くなっても味がある。


右が「ポリカーボネート」製のヘルメットのシールド。左上の大きい板が「アクリル(メタクリル樹脂)」
小さい板が「塩ビ(ポリ塩化ビニール)」写真では判別出来ないでしょうね。みんな透明の板にしか見えないと思います。


右上はジョエ・コロンボのテーブルランプ。カルテル社製の古いモノ。シェードはアクリル、ボディーは多分「ABS樹脂」です。前列は耐熱プラスチックの灰皿。「メラミン樹脂」製だと思います。


ROBEX(ロベックス)社のひょうたんを割ったような食器。樹脂が何層にもなっている。判別出来なかったのですが、調べたら「耐衝撃性ポリスチレン樹脂」だと分かった。
ポリスチレンは熱と衝撃に弱いのですが、ゴム成分を加えて耐久性が強い樹脂に変った。


「ユリア樹脂」製の麻雀牌。この樹脂も歴史が古い。石の様に硬いのですが、もろいので衝撃に弱い。後加工は大変な素材です。レーザー彫刻は出来ました。友人の商品「目玉イーピンネックレス」完売しました。
「PUNK DRUNKERS」


ボーリングのピンです。何処かで買ったモノ。これは材質が分かりませんでした・・・
芯は木材で、周りをかなり厚く樹脂で固めています。コーティングというレベルではない。
調べておきます。


プラスチックは「合成樹脂」とも言い、
種類は100種類以上有り用途によって使い分けられています。

普段の生活で目にするプラスチック製品から、
要らなくなった電化製品を何となくバラしたら
出てくる部品まで本当に様々です。
だけど、何と何がどう違うとか良く分からないでしょう?

難しい話をすると「化学」になってしまうし、
しかもそれは専門分野では無いので・・・
簡単ではありますが僕が知ってる中でプラスチックの話をします。

世界で初めて誕生したプラスチックは、
ちょうど100年前のアメリカで、ベークランド博士によって開発され、
その名にちなんで「ベークライト」とつけられました。
アンティークのラジオやカメラのボディー、
ブローチやバングルといったアクセサリーに使われていました。
「フェノール樹脂」とも呼ばれ、
その当時は木の粉末と混ぜて固めてた物も多く、
独特の表情で味が有り一目で年代モノと分かります!
絶縁性が良く、現在も電気部品の基盤など
幅広く使われています。

同じ様なプラスチックで、「ユリア樹脂」「メラミン樹脂」
と言った熱に強い樹脂があります。
プラスチック製の食器と言えばメラミン樹脂が多いですね。

これらのプラスチックは「熱硬化性樹脂」と呼ばれ、
熱を加えても柔らかくならない
「クッキー型」と言います。

プラスチックを大きく2つに分けると、
もう一つは「熱可塑性樹脂」と呼ばれる
熱を加えると柔らかくなる「チョコレート型」が有ります。
僕が普段扱うアクリル板はこちらに入ります。

アクリルは正式名称は「メタクリル樹脂」と言います。
歴史は1929年にドイツで工業化され、
日本でも第二次大戦中には飛行機の風防ガラスとして
使われていたことから「有機ガラス」と呼ばれていたこともある。
アメリカでは、PLEXIGLAS(プレキシグラス/商品名)と
言ったほうが伝わりやすいかも。

樹脂の中で一番透明度が高いので、
光学レンズやテレビの導光板、照明器具のシェードなど、
また紫外線や可視光線による劣化がほとんど無いので、
屋外でのサインなどにも良く使われます。
アクリルだけでも更にピンポイントな用途に作られた素材、
例えば絵画を劣化させる波長の光を遮るモノなど、
まだ10数種類もあります。
以前も言いましたが、アクリルの生産量の大部分は
工業製品と言った成型品になっていますので、
アクリル板の生産は全体量のごく一部だと思っていいです。

良くアクリルと比較される「ポリカーボネート」
樹脂の中で最高の耐衝撃性を持ち、ホント割れません。
しかも難燃性なので自動車部品やから建築資材、
CDやDVDの素材になどかなりの用途があります。
ドイツ「リモア社」はポリカを使い本体を薄く作れたことで丈
夫で超軽量化スーツケースが生まれた。
最近は透明度が上がり、イタリア「カルテル社」の
一体成型の椅子もポリカです。
繊細なデザインでも壊れない。
しかしあまりにも「きゃしゃ」だとやっぱり揺れます。
剛性よりも軟性が強いのかも。
表面高度はアクリルより低いですが、
板材に限って言えば表面コーティングを施し
弱点をカバーしたモノもあります。


などなど樹脂のはなしは終わりません・・・まだ半分くらいです。
これ以上続けるとお腹いっぱいになりますよね?

スイマセンが来月もこのネタで引っ張りたいと思います。
宜しいでしょうか?
もちろん100種類もやりません(笑)

次回はもう少し身近にあるプラスチックについてもレポートします。


俵藤ひでと (1972生)
ICSカレッジオブアーツ卒
1995年 ひょうどう工芸入社
2002年 デリバリーワークス設立
アクリル加工を中心とする特注家具・照明器具・立体物のデザイン製作
オリジナル家具・照明の企画デザイン・製作・販売



#066 2010.08 新しい五月人形
#065 2010.07 アクリルのトランク型ディスプレイ什器
#064 2010.06 展示会のまとめ
#063 2010.05 現代手工業展2010
#062 2010.04 アートとモノ作り
#061 2010.03 アクリル引きモノパーツ / 現代美術VOCA展
#060 2009.12 コレクションショー
#059 2009.10 ショップ什器 / 展示会のお知らせ
#058 2009.08 バーテンダー
#057 2009.07 多摩美素材実習
#056 2009.06 2009年展示会を終えて
#055 2009.05 展示会に向けて2/コラボレーション
#054 2009.04 展示会に向けて−アクリルで本をカタチ作る
#053 2009.03 アクリルの茶杓 / 伝統と現代
#052 2009.02 掛川現代アートプロジェクト/アクリルの棗(なつめ)
#051 2009.01 氷のアクリル
#050 2008.12 NYにて
#049 2008.11 ニューヨークへ
#048 2008.09 裏方にまわる楽しさ
#047 2008.08 2008年展示会を終えて
#046 2008.07 想い込めて。仲間の協力を得て。
#045 2008.06 キスの練習 くちびるの習作
#044 2008.05 展示会のテーマ「誰かの為のギフト&トロフィー」
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#040 2008.01 ご挨拶
#039 2007.12 実習講義 素材とたわむれる
#038 2007.11 デザインにユーモアを
#037 2007.10 ある仕事の風景
#036 2007.09 ポリへドロン
#035 2007.08 アクリルの茶杓
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#033 2007.06 展示会、真っ最中
#032 2007.05 仕事とは時間を共有すること/6月の展示会に向けて
#031 2007.04 モノを作り表現する女の子たち
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#029 2007.02 プラスチック って言っても様々
#028 2007.01 マイナーチェンジを繰り返す
#027 2006.12 多摩美術大学にて
#026 2006.11 趣のあるアクリル 茜色に染める
#025 2006.10 端折ってはいけないコト そこに愛はあるのかい?
#024 2006.09 FRPかぶき野郎
#023 2006.08 アクリルをシェイプする
#022 2006.07 展示会を終えて
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#004 2005.01 島谷製作所
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