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ホーム > モノ作りの現場から > Delivery Works 俵藤ひでと #037




IronI(アイアンアイ)の青山幸太くん。
打合せ風景。



プレートに、文字裏面のボルトと同じ位置に穴を開ける



文字裏面のボルトをレイアウト通りに穴に差して仮組する。



プレートの裏面から溶接。
僕自身初の溶接作業!!



黒染め液を刷毛塗りする。
だんだん黒く反応してくる。



地下に入るけど“オクジョー”
洒落が効いてるお店です。



最後につや消しクリアを全体に吹いてフィニッシュ。黒が落ち着いて更にカッコよくなった。
【成り行き】

エグジットメタルワークサプライさんとは
お仕事を一緒にする機会が多く
また2F事務所には
現代手工業乃党の事務局が併設しているので
工場には良く出入りさせて頂いてます。
更に3Fには別のデザイン事務所があり、
ここに来ると色んな人と出会う。

ここで良く会うデザイナーの吉高神卓弥くんから
「ショップサイン出来ない?」と相談。
どうやら知人から頼まれてるようだった。
そして彼の知人もど
うやらお店を持ってる友人から頼まれてるようで・・・

取り合えず現場を見ないことには話が進まないので
後日、市毛さんというグラフィックデザイナーさんと
現地でおち合うことにして
お店のある六本木へ。

市毛さんが2分で考えたというロゴマークは出来ている。
どのような仕様でショップサインを作るかみんなで検討し合う。
オーナーさんは電飾看板のイメージがあったようですが、
設置条件が難しいので違う案で行く事に。
デザインや仕様は皆さんに任せると言う事なので。

吉高神くんがロゴとお店の雰囲気を見て、
黒くサビた文字をプレートから
浮かせてスポットライトで当てる感じでいいんじゃないかと。
「コータに溶接と表面のニュアンスをお願いして、
後は俵藤くんがまとめてよ」と
さらっとコーディネートして、何となく話しが進んでいく・・・
「いいけど、窓口は吉高神くんがやってね。
今回の方と僕は初めての取引だし」
「じゃあ、9月中に(品物)上げられる?」
「それはムリじゃないかなー、
レーザーカットでロゴ切り文字の納期だけで
10日間って言われてるし、コータの都合も聞いてないし」
「そしたら直接やってくれないかな?
オレ来月からいないから。旅に出ちゃうから」

という事で市毛さんとのやり取りは僕がする事になり、
見積りを大至急出してくださいとお願いされた。。
僕からの取引条件は、仕様やニュアンスは任せて頂くと言うこと、
前金で先に50%振り込んでもらい入金確認後、
製作を始めることを伝え、オーナーさんの了解を得た。
(結局、全額前払いしてくれた)

何となく話しが進んで行く案件ほど、こちらが出来ることや
条件をしっかり伝えなくてはいけない。
特にお金の話はちゃんとクリアにしたほうが良いと思ってる。
「ちゃんともらえるのかな」
なんて気にしながら仕事するのは体に悪いから。
別にいつも人を疑っている分けではないけど、
僕らのようなフリーランスは、
お金を頂いて初めて仕事となるのです。


先ほどからちょいちょい出てくる“コータ”こと
IronI(アイアンアイ)の青山幸太くん。
エグジットメタルワークサプライに7年くらい居て、
1年前に独立しました。
若いけど、清水くんのところでみっちり鍛えられたので
仕事もかなり出来ます。
ただ作るだけではなく、
ちゃんと自分の考えをもって作れるので信頼出来る。
彼にこの仕事をお願いしに行きました。

酸洗いのスチールで
ロゴをレーザーカット&裏面にボルト立てしたモノを支給し、
レイアウト通りロゴをプレートにセット出来る様な
仕組みは作りは僕の仕事。
彼がスムーズに作業が出来る段取りをする。

この先の鉄の表面の風合い作りが僕の領域外。
彼の経験に頼るトコロなのです。

“黒染め液”を使って鉄の表面を黒くするのです。
表面を酸化させて色付けするのですが
液を漬け込む時間で風合いが変化する。
黒サビから赤サビに変るのです。
エグジットさんの品物を何度も見てるので
どんなモノかイメージはつくのだが、
実際に加工現場を見るのは初めて。
コータくんと一緒に僕も1日ずっと作業を手伝いました。

黒染め液は少し水色がかった無臭の液体。
(黒染め液を桶に満たして、品物を丸ごと漬け込めば
ムラ無く反応させられるが、余りにも不経済)
これを今回は刷毛で塗って行きます。
最初はもの凄く刷毛ムラが出来て獣の様になってしまい、
不安になりましたが
(余りにも心配になって反応途中を画像に収め忘れました))

コータは平常心で
「大丈夫です。時間が経てば割と均等になります。」と。
さらに「逆に少しムラがあるほうが味になったりしますよ」
と力強い言葉。
案の定いい感じになって来て
「もう少し反応させて赤サビ少し出してみようか」なんて
ワイワイやりながら楽しくなって来ました!
この風合いに正解は無いので、
僕達の気分が良い所で終わらすライブ感覚な作業でした。

ちなみに人生で初めて溶接作業に
チャレンジさせてもらいました!
いや〜難しかった・・・というか
溶接中は目で直接確認出来ない。
要するに感に頼る部分が多く、
出来てるのかどうかまったく分かりませんでした。
彼らは簡単そうにやってるのですが、
かなり経験が必要だと感じました。
たまに人の仕事をやると良いです。大変さがわかる。

楽しかったな。基本お任せ仕事。
こんな時こそ楽しんで作るのが一番。
お客さんにもちゃんと伝わります。

翌日、現場へ取り付けに。
ロゴを考えた市毛さんからも
「カッコいいね」とお褒めの言葉を頂き、
そして最後に、お店の前に白いベンツで乗り付けてきた
“THE 六本木人”
見てくれがとても恐そうなオーナーさんも喜んでくれて、
ほっとしました。

めでたしめだたし。



僕に仕事をまる投げして世界一周旅行に出た
“吉高神卓弥”のブログはこちら

http://blogs.yahoo.co.jp/pepys24/


俵藤ひでと (1972生)
ICSカレッジオブアーツ卒
1995年 ひょうどう工芸入社
2002年 デリバリーワークス設立
アクリル加工を中心とする特注家具・照明器具・立体物のデザイン製作
オリジナル家具・照明の企画デザイン・製作・販売



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