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ホーム > モノ作りの現場から > EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫 #002



清水 今日はお忙しい中、
お越しくださってありがとうございます。
よろしくお願いします。
この展示会、近藤さんの目から見て、
率直にどう思われますか?

近藤さん カタく言うとさ、何をチェックポイントにしてゆくか
っていうところあたりが、
きっと問題になってゆくんだろうな。

清水 チェックポイント?

近藤さん 清水君が、
「我々は単にデザイナーじゃありません。
アーティストじゃありません。
工芸作家じゃありません。」って言うけどさ、
普通は、デザイナーだとデザインした物が
機能性がいいかとか悪いかとかいろんな意味で
評価されちゃったりするわけじゃん。
まぁそれも仕事のうちだから(笑)

で、アーティストは、作品見て、
んーいいなーとか悪いなーとかさ、
感動してくれるかとかって事が、
実はかなり制度化されてるって事、歴史的に。
例えば、画商っていう人がいたりとか。
でね、伝統工芸士さんってのは
文化的、伝統的につながってきた技術ってのが
ずぅっとあるという裏打ちがあって、
それが例えば、お茶の道具につながっているとか、
民芸品ってものにつながっていたりするんだけど・・・。

で、みんなは、今、ここに出している物は
“好きで作りました”っていうのが
大きな要素だと思うんだよね。
いや、いいと思うんだけど、
そうすると、そういう物を見たときに、
一体どうやって評価されるのか・・・
されたいのか・・・。
人に見せるって事は評価されたい
って意味あるじゃない。

極端に言うとデザイナーだと、
「それいいけど、高いよね」とか(笑)。
カッコいいけど機能が悪い、とか、
機能はいいけどカッコ悪い、とか、
いろんな事言われるでしょ。
でアーティストってのはさ、基本的には好きなもの、
自分の好きなことを表現しているんだけど、
さっき言ったみたいに、
割と評価の軸みたいなものが伝統的にあるわけ。
あるの。
で、これはその流れの中でおもしろいとか、
おもしろくないとか、これは新しいとか古いとか・・・。
それは極端に言うと、評価されることを
望んで作っているわけだね。

でもこの場合は・・・何て言うのかな(笑)。
その辺の見方っていうのかな、
見る方もこれをデザインとして見た時に
どうかなぁ(笑)とかさ・・・。
この趣旨はとてもおもしろいと思うわけ。
現代手工業乃党というのはね、
逆に言えば、ハッキリと、自分でデザインして
自分で作って自分で表現しているんだ、
って言い方をしちゃうほうが潔くっていいかなぁ(笑)。
変な話言えばさ、
デザインほめられたときはコレもんで、
けなされた時は「イヤー、オレ職人だからぁー」
っていうか(笑)。

清水 イヤイヤイヤイヤ(笑)


近藤さん 多分そういうところ、
だから、みんな技術的にスゴイって、
ただそれだけで物を作るって事はないんじゃない・・・
多分・・・でも、売っていこうと・・・?

清水 ええ、こういう物を売ってゆこうと思う人も何人か・・・。
まぁこのへん(自分の事を指す)ですけど(笑)。
あと特注仕事を受けたい人、
「こんな仕事できますよ」っていうサンプルとして
出している人もいます。

近藤さん それは技術を売っているわけでしょ。
技術のためのプロモーションっていう、
うん、いいじゃない。
その時に、その評価軸っていうかな・・・
カタく言っちゃえば、
どう捉えていくかっていうことに対するメッセージが
もう一丁あるとすごくいいかもしれないな。
下手すると・・・考え違いされると、
「なんだよ、自分達の好きなモン作ってるだけ
じゃねぇか」って言われちゃうかもしれないし・・・。
変な話、パブリシティーネタには
いいわけじゃないか、スゴク!(笑)

その辺のところってのは変な意味で自分達を
規定しろって言ってるわけじゃ無いんだよ、全然。
じゃないけど、なんかそういうときに新たな、
何か今までと違う“差”みたいなものを
キチンと表現すべきであって・・・
職人だよって言うだけじゃなくて(笑)

清水 自分のことで申し訳ないんですけど、
どこまで自分がその・・・職人として
うまいのかって言われると、
その・・・そんなに自信は無いんですよ(笑)。
正直、普通なんで(笑)。

近藤さん まぁ技術的に上手いのは伝統工芸士の方かな?

清水 とか、あの、ヨネさん達(三宅工芸)には
技術的にはかなわないなぁって、
ヒシヒシ感じます。
ああいう近藤さんの物件
(ヨウジ ヤマモトのブティック)を一緒にやってると
「マジ、スゲェな、コレ」とか思うことあるんですよ。

近藤さん だから、もう、(君達は)デザインをして、
物を作ってるわけですよ、ね、
だからその辺のところを意識しておいた方がいいよね。
じゃないと、比べられた時に、
「だったらさぁ、フツーにデザインして
上手い職人に頼んで
いい物作ってもらった方がいいじゃん」
っていうカテゴリーが出てきちゃうじゃん。
けど、自分達の思っている物を、
自分達の手で表現できるって事は・・・
私なんかからしてみれば
羨ましい部分がたくさんあるわけで・・・
実はね・・・自分の限界が分からないから・・・
こっちは・・・。

この前もだから、富山でガラスをやって・・・
私が図面を描いたものを
10名の人たちに作ってもらって・・・
その代り、ベースの型さえ合わせてもらえば、
あとは表現自由ってのをやったわけ。
で、熱を加えていくと、難しいんだねぇ。
図面をコンピューターで描くようにはいかない。

で、有田でも器をデザインしているけど、
今日このあと打ち合わせがあるんだけど、
1回目なんて、ものの見事に歪んじゃって・・・。
図面のようには行かないんだよね・・・。

その辺のことを老婆心ながら言わせてもらうと、
これが今、いいとか悪いとかっていうんじゃなくて、
これからそういう事を
自分達でどう考えてやっていくかって事が
結構重要になってゆくのかも知れないね。
考え方と、やっている事はおもしろい。
でも物作っちゃったら、物が語りだしちゃうし、
物の評価ってものが出てきちゃう。
逆に言うと、その辺の所の手工業・・・
“手で作る”っていうところの、やっぱり、
普通にデザインして製作してもらって
出てきた物の差ってものをさ、
非常に大変なことだと思うけれども、
どういう事が差としてあるかってことが、
探していったらおもしろいかもしれないね。


近藤 康夫さん
1950 東京生まれ
1973 東京造形大学造形学部デザイン学科室内建築専攻卒業後、三輪正弘環境造形研究所に入社
1976 クラマタデザイン事務所に入社
1981 近藤康夫デザイン事務所を設立、現在に至る
1989 著書「インテリア・スペース・デザイニング」出版
2003 株式会社エービーデザイン設立
著書「AB design」出版

清水薫 (1970生)
金属工房を経て、株式会社IDEE入社、IDEE WORKSHOPにて商品開発と製作を行う。
96年、EXIT METAL WORK SUPPLYを設立。
金属で物を作りながら考える事を中心に、家具・什器のデザイン、自社工房での製造、及び企業に対してのプロダクトデザインやマテリアルの開発等を行う。
2007年より既製品什器の製造・販売を開始。
メーカーを目指してみる。メーカーカタログサイト



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