近藤さん |
多分そういうところ、
だから、みんな技術的にスゴイって、
ただそれだけで物を作るって事はないんじゃない・・・
多分・・・でも、売っていこうと・・・?
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清水 |
ええ、こういう物を売ってゆこうと思う人も何人か・・・。
まぁこのへん(自分の事を指す)ですけど(笑)。
あと特注仕事を受けたい人、
「こんな仕事できますよ」っていうサンプルとして
出している人もいます。
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近藤さん |
それは技術を売っているわけでしょ。
技術のためのプロモーションっていう、
うん、いいじゃない。
その時に、その評価軸っていうかな・・・
カタく言っちゃえば、
どう捉えていくかっていうことに対するメッセージが
もう一丁あるとすごくいいかもしれないな。
下手すると・・・考え違いされると、
「なんだよ、自分達の好きなモン作ってるだけ
じゃねぇか」って言われちゃうかもしれないし・・・。
変な話、パブリシティーネタには
いいわけじゃないか、スゴク!(笑)
その辺のところってのは変な意味で自分達を
規定しろって言ってるわけじゃ無いんだよ、全然。
じゃないけど、なんかそういうときに新たな、
何か今までと違う“差”みたいなものを
キチンと表現すべきであって・・・
職人だよって言うだけじゃなくて(笑)
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清水 |
自分のことで申し訳ないんですけど、
どこまで自分がその・・・職人として
うまいのかって言われると、
その・・・そんなに自信は無いんですよ(笑)。
正直、普通なんで(笑)。
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近藤さん |
まぁ技術的に上手いのは伝統工芸士の方かな?
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清水 |
とか、あの、ヨネさん達(三宅工芸)には
技術的にはかなわないなぁって、
ヒシヒシ感じます。
ああいう近藤さんの物件
(ヨウジ ヤマモトのブティック)を一緒にやってると
「マジ、スゲェな、コレ」とか思うことあるんですよ。
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近藤さん |
だから、もう、(君達は)デザインをして、
物を作ってるわけですよ、ね、
だからその辺のところを意識しておいた方がいいよね。
じゃないと、比べられた時に、
「だったらさぁ、フツーにデザインして
上手い職人に頼んで
いい物作ってもらった方がいいじゃん」
っていうカテゴリーが出てきちゃうじゃん。
けど、自分達の思っている物を、
自分達の手で表現できるって事は・・・
私なんかからしてみれば
羨ましい部分がたくさんあるわけで・・・
実はね・・・自分の限界が分からないから・・・
こっちは・・・。
この前もだから、富山でガラスをやって・・・
私が図面を描いたものを
10名の人たちに作ってもらって・・・
その代り、ベースの型さえ合わせてもらえば、
あとは表現自由ってのをやったわけ。
で、熱を加えていくと、難しいんだねぇ。
図面をコンピューターで描くようにはいかない。
で、有田でも器をデザインしているけど、
今日このあと打ち合わせがあるんだけど、
1回目なんて、ものの見事に歪んじゃって・・・。
図面のようには行かないんだよね・・・。
その辺のことを老婆心ながら言わせてもらうと、
これが今、いいとか悪いとかっていうんじゃなくて、
これからそういう事を
自分達でどう考えてやっていくかって事が
結構重要になってゆくのかも知れないね。
考え方と、やっている事はおもしろい。
でも物作っちゃったら、物が語りだしちゃうし、
物の評価ってものが出てきちゃう。
逆に言うと、その辺の所の手工業・・・
“手で作る”っていうところの、やっぱり、
普通にデザインして製作してもらって
出てきた物の差ってものをさ、
非常に大変なことだと思うけれども、
どういう事が差としてあるかってことが、
探していったらおもしろいかもしれないね。
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