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ホーム > モノ作りの現場から > EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫 #007



HIZUKI展示会 HANA (2005.3.11-18 USHIO SPAX showroom)

今回は、(株)ウシオスペックス HIZUKI シリーズを開発している小田純史さんにお話をうかがいました。


無垢のゴムベースと提灯の技術を使った和紙シェード

清水 HIZUKIは、いつ頃からはじめられたのですか?

小田さん 6〜7年くらい前からですかね。
昔からある日本の工芸と、現代のプロダクトを
今の時代に合う様に組み合わせて提案していく、
というコンセプトで岩立マーシャさんと岡本玲子さんが
スタートさせたんです。
僕はそれから約1年後に加わりました。
「日本の工芸」だけど言い切ってしまうと
ある一部分の泥臭い印象になってしまいがちで・・・。

清水 そうですね。言ってる意味は分かりますよ。

小田さん けど、そうゆう泥臭い部分をさらに掘り下げて・・・
今の世の中に合う形で出してゆこうと・・・
基本的に彼らはスゴイ技術を持っているから・・・
でもこの納まりどうっ!とか、この素材はこうでしょっ!
とか、そうゆうのじゃなくて、・・・ノ−マルな形でっていう・・・


南部鉄でできた鉄ベースと宙吹きガラスのシェード
清水 作り手側の押しつけみたいな感じってさ、
受け取る側からするとこー「うっ!」って
きちゃう時あるじゃない(笑)、ある意味。
・・・そういう部分をもっとサラッとモダンに
解釈したいなぁって、ボクは思っているんですよ。
っで、ウチらの名前は、工芸ではなくて手工業、
つまりクラフトではなくてマニュファクチュァなんですよ。
どちらが良いの悪いのではなく、私達は、好きで
それを選んだってだけなんですけど・・・。
でねっ、このHIZUKIの展示会を見に来て、
とてもカッコイイなーと思って・・・。

小田さん 現代手工業乃党のメンツを含めて、
今の日本でもこれだけの物が作れるんですよ、って・・・。
工芸というくくりの中だけでも
すごい技術がいっぱいある。
それは伝統的なパタ−ンであったり、
形や素材そのものであったりもするんだけど・・・。
そんな中、ちょっと別の事やりたいって思っている
人がいてね、タイミングよく出会いがあって・・・。
私はこういう者なんですけど一緒に照明器具を
開発しませんかって・・・。


ピアノ線の先端保護とコードをホールディングするキャップ

清水 しかし、パーツとか完成度が高いですよねー。
この先っちょにくっついているパーツ・・・
どこにも売ってないですよね。

小田さん 売ってないですねぇ(笑)。

清水 これは、このために作られたんですか?

小田さん このパーツはオリジナルです。
HIZUKIでは、こういった細かいパーツに関しては、
ジュエリーデザイナーの吉田眞紀さんと
共同開発しています。
ここにこういうパーツが必要なんですけど、
どう思いますかって。
私達が電気のパーツを知っているとしたら、
吉田さんはもっと細かいパーツの素材や造りを
知っているから・・・。

清水 プロダクトデザイナーじゃなくて、
ジュエリーデザイナーにあえて依頼したんですか?

小田さん 彼らはスゴイですよ。
ジュエリーデザイナーだけにディティールが・・・。
デザインする物がずっと身に付けておくものだけに
本当に細かい・・・。

清水 きてますねー(笑)。
そりぁハンズとかじぁ売ってないですね。



展示会場 全景

小田さん このコードもオリジナルです。
一見、普通の平行コードなんですけど。
電気が流れる部分に荷重がかかると、
電気の法律的にはダメなんですよ。

清水 ハイ、そうですね。

小田さん で、だから、コードとコードの間にケブラーってゆう
強い繊維の線を入れて結線部分ではなく
そこへ過重を逃がしているんですよ。

清水 スッゲーッ!

小田さん 平行コードの断面って普通8の字じゃないですか。
けどコレは、ほぼハート型になっているんですよ。

清水 そのコード、売ってもらえませんか?(笑)

小田さん イヤー(笑)、今のところコードだけっていうのは・・・
非売品です。

清水 ちなみに、そのコードの開発って、
業者さんは何メーターから作ってくれたんですか?


小田さん もともとのロットは3000mかな?
試作は、確か200mくらいからかな?

清水 うーん。 まぁそうでしょうね。

小田さん 最初に押し出しの型が必要で、その型を作って・・・。
いやぁ 面白かったですよ。


清水 このガラスのベースは型で作ってないですよね。
中に水の流れのような模様がうっすらと・・・。
これは作る過程の結果だと思うのですが

小田さん 炉の中のガラスを少しずつポンテで巻き取っては
形を整え、その工程を繰り返して・・・で、それだけ。
だからその流れは、その時のガラスの動きそのものなんですよ。


清水 なんか、半端に出来のいい量産プロダクトには、
まず到達できない様な愛くるしさみたいな感じが
ありますよね。

小田さん 今までHIZUKIで関わってくれる作家さんや
職人さんは、とてもすばらしい方々なので・・・。

清水 そうなんでしょうね。
これだけ一見、普通なのにカッコ良く成立してるし、
サラッとさりげなく・・・「えっ、いたの?」って感じ(笑)。
ちょっとだけ崩すって、プロじゃなきゃ無理ですよ。


ロクロでひき上げた磁器のスタンド

小田さん 今回のこのガラスのベースも、
簡単に言うとただのガラスの塊じゃないですか。
高橋禎彦さんという方が作ってくれてるんですけど・・・。
こっちのイメージを大枠で伝えて、
で高橋さんが答えてくれる。
ボクらはあんまり言い過ぎないようにしてるんですよ。
そうじゃないと高橋さんに作ってもらう意味
なくなっちゃうんで・・・。

清水 手作りの良さとハイテクの良さと、その両方を
受け止めてキチンと作って、リアルトーキョーの
フィルターを通じて、たとえ小ロットでもモダンな
プロダクトを発表していきたいなぁと思っているんですよ。
現代手工業っていう新しいジャンルとしてね。
そんなボクにとって、このHIZUKIのシリーズは
とても勉強になりました。
いろいろと説明してくださってありがとうございました。
小田さん、これからもガンバッテください。


HIZUKI
TEL 03 5768 3681(USHIO SPAX)
FAX 03 5768 3690
MAIL hizuki@ushiospax.com

清水薫 (1970生)
金属工房を経て、株式会社IDEE入社、IDEE WORKSHOPにて商品開発と製作を行う。
96年、EXIT METAL WORK SUPPLYを設立。
金属で物を作りながら考える事を中心に、家具・什器のデザイン、自社工房での製造、及び企業に対してのプロダクトデザインやマテリアルの開発等を行う。
2007年より既製品什器の製造・販売を開始。
メーカーを目指してみる。メーカーカタログサイト



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