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ホーム > モノ作りの現場から > EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫 #011



今回は 岡崎製材株式会社の安藤さんにお話を伺いました。
(蒲郡の営業所を見学してきて・・・)


大きな木の前に立つ岡崎製材の安藤竜二さん
(コンチネンタルスタジオ・プロデューサー)
















































清水 いゃーすごい迫力のある原木がいっぱいありましたねぇ。
いったいどのくらいの在庫持ってるんですか?

安藤さん 僕は正確には把握してないですけど
数億円とも十数億円とも言われています。

清水 うわーっ。
で、種類もたくさんありましたしね。

安藤さん そうですね、いろんな所からバイイングしてきますよ。
国内はもちろん、東欧からだったり、アフリカ、カナダ、
アメリカ、南アメリカ、アジア、イギリスからもね。
でさっきの所 (蒲郡の営業所) で天日にあてて干してるの。
ものにもよるけど5年〜10年、
暴れるだけ自由に暴れさせてね、
でそれから製材して、
今度は倉庫で2年〜3年乾かして、
それから商品になります。

清水 僕は 鉄を主に使っているから
そのタイムスパンがピンとこないなぁ。
自然相手なんですね、、、
いやっ、鉄だって炉に入れる前の原材料は
大地から掘った自然のモノだんけど、
角パイプになるまで10年はかからないよ(笑)。
ってことは10年後に何が売れるかを考えて
バイイングしてるの?

安藤さん 10年後に何が売れるかは分からないよ(笑)。
だから原木のバイヤーは難しいね。
30年〜40年のキャリアがいるんだ。
製材の方もキャリアが大事でね、製材のしかたというか
その原木の切り方次第で価値が何倍も変わってしまうから。
そういう訳でうちの会社は老人力を多様してます。(笑)すごいんですょ。
岡崎製材は創業 大正6年の会社でね、
昔からケヤキとか屋久杉とかの銘木を
寺や神社に出してるから、、、
製材と言っても本当、切れば良いってわけじゃないし、、、。
で、そっちの世界って キビシイでしょ。
大きくて良い所だけを使うから、、、
フシがあっちゃいけない、ワレがあっちゃいけないでしょ。
けど、見方を変えればさ、
それだって美しいすばらしい木材だし、
有効利用はいくらでもできるばずだよね。
ジョージ ナカシマだってフシのある板を
あんなにカッコ良く使ってるし、、、。
で、うちの社長の八田さんが頭やわらかい人で
プロのための木材問屋やってるのに
それとは別にホームセンター作って
一般の方のためにいろんな木材を提供したり、
家具屋やったり、外国から建具や建材を輸入して販売したり、他もまだいろいろやってるよ。

清水 普通、木材問屋というのはある意味わりと閉鎖的で
決められた販売ル−トの範囲の中で
ほぼ決まったプロの方だけを相手に商売してゆくもんですよね?

安藤さん うん、そうなんだけどね、
うちは○急ハンズさんにも卸してますよ。
そういう一般ユーザーさんとのお付合いが
スッゴく勉強になるんですよ。

清水 そういう風に会社が進化していって、、、
だから某有名中華デザインレストランチェーンと
一緒に良いお仕事ができるわけなんですね。
守備範囲が広いというか懐が深いというか
スゴイ材木屋ですね。

安藤さん うちの社長が言うんですょ、
日本一アカデミックな材木屋を目指そうって、、、。

清水 カッコいいなぁ それっ!

安藤さん たとえばね、材木扱っている
プロの人達とのやり取りの中での質問ってね、
実は割と決まってるんですょ、
プロであるがゆえにね。

清水 でしょうね、なんか分かる気がするよ。

安藤さん けど、一般の方を対象にというか、、、
ほら、プロとして当たり前だと思っている事が
ぜんぜん当たり前じゃないから
すごい根本的な事っていうか、
ある意味とてもアカデミックな質問されるんだ。
普通の材木屋だつたらそんなもんつべこべ言うな
とか言って答えない、というか答えられない(笑)。
だけどそれにキチンと答えられるようになりたい。
それには僕たちももっと勉強しなきゃ、、、
もっといろんな角度からもね。

清水 そういう一般の方の素朴な疑問を流さないで
立ち止まって考えてゆくってことって
大変だけど大事だよね。
昔気質にさ「てゃんでぃ、そんなモン知るかーっ! 」ていうのも(笑)、
選択肢としてはありと言えばありだとは思うんですけどね。
時は常に動いていて
とある流れに参加して来る人々も、
相手をすべき人々も 流動的で 、、、
で、その流れを把握しているというか対応してゆくというか、、、。

安藤さん そうね、風上だけじゃなく 風下だけでもなく
幅広くいろんなポジションに居たいよね。
うちは そういう会社なんですよ。

清水 フシのないムクのヒノキのカウンター天板も素晴らしいけど、
ラフに割れててフシもあって焦げてるカウンターも
またカッコいいですからね。
両方対応できるならそれにこした事は無いよね。

安藤さん 岡崎製材は歴史があるからこそ
そういう事ができるんだろうなぁと思いますね。
けど僕たちは、まだまだお客さんに対して
材木の事を十分に説明できてないと思います。
何々ってゆう木がほしいって言われて
今まではその材木しか出してなかった。
お客さんはたまたま他の材木を知らなくて
本に出てるその木を選んで
その名前を口にしているんじゃないかなぁ。
実は近いテイストの他の材木はいっぱいあってね、
それならもっと寸法が大きいのがあったり、
もっと強度があったり、もっと安かったりするんですよ。
そんな事も含めてね、いろいろとこちらから
提案してゆけるようになりたいと思ってるんですよ。
本来 材木屋は そうあるべきなんじゃないかと、、、。

清水 製造業はもっとモノを言うべきだと思うんですよ。
何百年か前までは
作る人が形を考えていた事が普通だったんですから。
そこに まっとうな意見があると思ってるよ。

安藤さん その材料なりの適切な使い方って言うのは、
やっぱり木の国の経験値ってものがしっかりとね、
あるものなんですよ。



岡崎製材株式会社
所在地 愛知県岡崎市戸崎元町4-1
業務内容
木材のプレカット、製材、加工
住宅資材(木材、建材、設備機器等)の販売
ホームセンター(インテリア、DIY用品、園芸等)
手づくり家具の製造、販売
住まいの相談(不動産、建築および増改築)
TEL 0564-51-0861
FAX 0564-52-8803
URL http://cool-shanghai.cn
サガシモノ 岡崎製材(株)

清水薫 (1970生)
金属工房を経て、株式会社IDEE入社、IDEE WORKSHOPにて商品開発と製作を行う。
96年、EXIT METAL WORK SUPPLYを設立。
金属で物を作りながら考える事を中心に、家具・什器のデザイン、自社工房での製造、及び企業に対してのプロダクトデザインやマテリアルの開発等を行う。
2007年より既製品什器の製造・販売を開始。
メーカーを目指してみる。メーカーカタログサイト



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