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ホーム > モノ作りの現場から > EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫 #014



みなさん、コンクリートでプロダクトを作るとしたら、、、つまり、コンクリートの形を自由にデザインして何かを作るとしたら、どんなモノをつくりたいと思いますか?ってゆうか、今まで考えた事ありました?何かモノを作る時、素材の選択肢の一つとしてのコンクリートを。

今回はコンクリートプロダクトを企画・製造・販売している立基建材工業(株) の二代目社長 岸上 昌史さんにお話を伺いました。



「ハンドホール」と岸上さん


組立型ハンドホール
©Tatsuki kenzai Industry Co.,Ltd.

清水 立基建材工業(株)ってどんな会社なのですか。

岸上さん 「電線の地中化」って分かりますか?
町並みを美しくするためとか
道路環境を良くする事とか、
また防災の意味も含めて通信ケーブル等
いわゆる電線を道路の下に埋める工事が
進められています。
立基建材工業は「ハンドホール」という
電線を地下で接続するための大きな
コンクリートのボックスを製造している会社です。

昔はそのボックスを工事現場で
コンクリートを流し固めて作っていました。
大きくてとても重いからです。
そんな中、立基建材工業が
組立式のハンドホールを開発したんです。
つまり現場流し込みではなく、ウチの工場で
完成度の高いハンドホールのパーツを作って、
現場では組み立てて埋めるだけにしたんです。
その方が工事は早いですし、出来も良いですからね。

清水 「電気」と書いてあるマンホールの下は
そんな事になっていたんですね。
確実に電話やインターネットを使えるために実は
みんなが御社のプロダクトにお世話になっていたんですね。
スイマセン気づきませんで、いつもありがとうございます。

岸上さん ハハハハハ。




コンクリートインテリア(照明)
©KITSUJI


コンクリートインテリア『KACHIWARI』
©KITSUJI

清水 で、岸上さんはその技術を使って
コンクリートの照明器具やインテリアの商品を
デザインしていたんですね。

岸上さん 「コンクリートデザイン KITSUJI (キツジ) 」として
インテリア照明を主とした
いろいろなコンクリートプロダクトを開発してきました。

清水 グッドデザイン賞もらってましたよね、
おめでとうございます。

岸上さん ありがとうございます。

清水 いろんなお店で見かけますよ、キツジのコンクリートのランプ。
東急ハンズとか 家具屋さんで、、、。

岸上さん 本当ですか、ハハハハハ。



内外装壁材 キツジプレート カベ(ホワイト)
©KITSUJI


キツジプレート カベの施工事例


表面はなめらかな三次元曲面です。
©KITSUJI


450mm×450mmで、薄さ16mm、重量は約4kg。一般的な石材より軽いんです。
©KITSUJI


清水 で、そういった流れを経て、今回、共同開発した
『キツジプレート』『キツジブロック』なんですね。

岸上さん そうですね、これまでやってきた
「ハンドホール」と「インテリアプロダクト」って、
イメージの問題かもしれないですけど、
なんかスッゴク距離感があるじゃないですか。
そんな中、このコンクリートの建材っていうのが
前の2つの間に位置して
良い影響を受けて出来た産物というか、、、。

清水 つまり道路の下に埋めるハンドホールを
作っている質実剛健さと、
インテリア照明を開発してきた
ディテールに対する繊細な気の使い方というか、、、
それらがちゃんと このキツジプレートに表れてると思います。

だって、今までのコンクリートプレートとか
コンクリートブロックとかって、
ガッサガサのボッロボロじゃないですか。
そんなのたとえばガラスブロックみたいに
室内の壁にそのまま使おうとか、
石みたいに床に敷いて直接座ってみようとか
ぜんぜん思えなかったでしょ。
けど、このキツジプレートとキツジブロックはさ、
ツルツルっていうかスベスベっていうか
キメが細かくてキレイじゃないですか。
角のアールの部分とかもすごく美しく作られてますね。
コンクリートなのにいわゆる「冷たい」感じがしないもんね。

岸上さん コンクリートっていうのは
セメントと骨材と水で形成されているんですけど、
あの、表面の緻密な部分はそのセメント面で
とてもデリケートなんですよ、作るのもね(笑)。

どんな表情が作れるのか追求してゆくと
問題なのは「固まらせ方」なんですね。
詳しくはココでは秘密ですけど(笑)、
温度や湿度にとても影響を受けるので
もろもろの微調節だとかが、、、
それも骨材の種類とか他の配合物の量だとかで
変わってしまうので、、、
16ミリの厚さで十分な強度を得るために
また撥水を良くするためにも、いろいろなタイプを
混ぜたりして実験を繰り返しましたね。

清水 キツジプレートの「厚さ16ミリ」って
スゴイと思うんですよ。
他のコンクリートプレートって
厚み50ミリぐらいあるじゃないですか、
あんなの床に敷いたら他のフロアーと
レベルが合わせづらいし、第一ミキリっていうか
そうじゃなくてスロープがいるよね。

岸上さん それで耐えられるのかどうか、
何度も何度もJISの試験場に行きましたね(笑)。
あと強度を保ったままでの軽量化が一番の苦労だったかなぁ。
詳しくはココでは言えないけど。


キツジブロック(近日発売予定)
躯体として使用可能なコンクリートブロックです。
©KITSUJI

清水 キツジブロックの方もほぼ同時に開発しましたよね。

岸上さん 意匠ブロックじゃなくて、躯体として通常通りの施工ができる
美しいコンクリートブロックが作りたかったので、、、
プレートと同じような表情に近づけるのが難しくて、、、
縦打ちか横打かで、、、
その違いはどうしてもね、、、
あと角のアールをきれいに出すための
型の微調整とかね、、、
なかなか、、、まだ開発中ですね。

清水 がんばってくださいね。



キツジプレート製作風景


大勢の職人さんによる手作りです。


コンクリートのサイロ



特注のコンクリートプロダクト(傘立て)
©KITSUJI
清水 いぁー、大変だと思いますよ、
こうやって今までに無かったモノを
ゼロから作り上げてゆくってことは、、、。
僕たちって製造業の中でも
団塊のジュニア世代じゃないですか、、、
岸上さんみたいに二代目を継いで、、、
さてこれから何をどう作ってゆこうかって、、、。
今までの20年と これからの20年って
ちょっと違うような気がするしね。

岸上さん なんかね、新たな分野に飛び込んでゆくと、
まったくこれまでと違う出会いがあっておもしろいです。
いろんな方々がいらっしゃって、、、ね。

清水 岸上さんとしては、つまり立基建材工業さんとしては、
いろんな人のコンクリートプロダクトの特注を受けて下さるんですよね?

岸上さん ええ、やってますよ。何でもとは言えませんが (笑)、
コンクリートで作れるモノなら。

清水 ガーデン用のテーブルの天板とか、、、
ソファーの脚とか、、、アリですか、、、?

岸上さん ぜんぜんOKですよ(笑)。

清水 ありがたいですよ、
岸上さんの様な方がコンクリート製造業界にいてくれて。
変なイメージかもしれないけどコンクリート製造業の人って
なんかデザインの話聞いてくれなさそうで(笑)。
スミマセン、失礼な事言っちゃって。

岸上さん アハハハハ(笑)。
いや、言いたい事は分かりますよ。そういう話ありますよ。
それで ウチにくる人もいらっしゃいますから。

清水 いや 本当 これからもガンバって下さいね。
応援してますよ。



立基建材工業株式会社
所在地 愛知県名古屋市瑞穂区土市町1-24-2
業務内容 プレキャストコンクリート製品の製造・販売
TEL 052-852-7771
FAX 052-852-7776
URL http://www.kitsuji.com/
サガシモノ 立基建材工業(株)

清水薫 (1970生)
金属工房を経て、株式会社IDEE入社、IDEE WORKSHOPにて商品開発と製作を行う。
96年、EXIT METAL WORK SUPPLYを設立。
金属で物を作りながら考える事を中心に、家具・什器のデザイン、自社工房での製造、及び企業に対してのプロダクトデザインやマテリアルの開発等を行う。
2007年より既製品什器の製造・販売を開始。
メーカーを目指してみる。メーカーカタログサイト



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