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ホーム > モノ作りの現場から > EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫 #031



今回は今までこのコラムに登場してくださった加工業・製造業の皆様の声を振り返ってみました。



大阪のちょいワルオヤジ川端ネジ製作所の川端さん
ネジのデザインや製造に対する思いを熱く語っていただきました。
「日本のネジ製造業の半分はつぶれちゃったけど
俺はデザインしてるから生き残ってんや!」
職人がデザインすることのすばらしさを
世に知らしめた先駆者です。
ありがとうございます。
とても勉強になりました。



チタンの伝道師(株)ティグの小澤さん
モノ作りの職人から入って素材の研究から
商品の開発・デザインもして、
人々の生活の中で役に立って
なおかつその全てを世界規模でとらえて、
会社を経営しながら
チタン加工技術の普及のために
勉強会まで主催しているという。
職人って勉強するとこんなに偉大になれる
可能性があるんだってことを教えていただきました。
ありがとうございました。



門扉や手すりなどの建築用装飾金物の設計や製作
などをしている会社はいろいろあるとは思いますが、
(株)フロントさんは鉄の鉄らしい表情を見せるために
どうすればいいのかという問いを探求し続けている会社です。
その一途な姿勢は本当にすばらしいと思いました。
三鷹のジブリの森美術館の装飾金物も、
六本木の国立新美術館の門扉も、
(株)フロントさんのお仕事だそうです。



サンドブラストのことなら仁木鍍研さんですね。
小さなものから車くらい大きなものまで
(建築物に対しても出張してサンドブラストできるらしい)、
またステンレス、アルミなどの金属から、コンクリート、
木材、ガラス、プラスチック等々、様々な素材に対して
可能なんですね。
サンドブラストという手法は、グラフィックを入れるのに
エッチングのような素材や寸法の制限もないし、
カッティングシートのようにはがれたり、経年変化もない、
という意味ではとても有効な手段なんだなと思いました。



世界最高レベルのアルミ精密板金工であり、
デザイナーであり、カメラマンでもある(株)渓水のボス、菅野さん。
世界中からラブコールが来るその絶対的な個性を持つ
エアロコンセプトというプロダクトは
職人としての腕とセンスと生き様と自信の無さからくるという、、、。
話を聞いていてとてもヒリヒリしました。
偏ったままでも思いっきり貫いちゃっていいんだって
本気で実感しました。



バッテリーや電動工具等の修理を続けて、
この道一筋40年の宮本電池の甲州さん。
「基本的に何でも直せちゃう」って
笑顔で言ってたかっこいいおじいちゃんです。
職人っていうのは自分が望んで、
また周りが受け入れてくれれば
定年なんか気にしないでいつまでも現役でやってられる
素敵な職業なんだなぁと教えてくれました。



丸太石陶材(株)の大岩永政くんは
お父さんの経営する会社の工場にまず入って
石材製造の技術と現実を学んだ後、
元気に営業活動しているスノーボードが大好きな
かっこいい若者でした。
彼のような若者が製造業にいることに
僕は明るい未来を感じたし、
昔から言われている製造業にまつわる3Kだ何だ
といったイメージの悪い労働環境を
横乗りカルチャーなノリで
そのうち自分たち流に改善しちゃうんだろうな
っていうたくましさを感じました。



パイプなどに曲げ加工が必要な時は、
アール産業牧さんにお願いしています。
作るもののクオリティをあげるために
自分でがんばるのも大事だとは思いますが、
やっぱり餅は餅屋というか、
その加工の道のプロがそばにいるなら、
お願いした方がよいと思っています。
アウトソーシング(外注)をする時には
コミュニケーションが大切だってことですよね。



丸パイプにスエージング加工をして、
テーパーを付けていく千葉テーパーさん
ぼくは以前テーパーパイプを見るたびに
「これってどうやって加工しているんだろう」と
ずっと疑問だったんですが、この取材で、
加工している現場を見せてもらってやっと謎が解けました。
あのダダダダダダダッという爆音はほんとにすごかったです。



コンクリートプロダクトを製造している立基建材工業さん
コンクリートの形を自由にデザインして
何かプロダクトを作れるって面白くないですか?
デザインもするし、製造もできる、
団塊ジュニア世代の若き二代目岸上昌史さん。
これからの日本の製造業のあるべき姿を
一緒に問うてゆきましょうね。



オーシャンビートルの野崎さんは
アルミの鋳物を中心としたデザインエンジニアです。
おじいさんが鉄の鋳物工場を、
伯父さんがアルミの鋳物工場を経営している中、
野崎さんはその工場に出入りしながら
自分のプロダクトがハイクオリティーでかつ
ローコストに出来上がるためにデザインの形状から
そのための製造方法、工程、 最終仕上、
設置法のすべてをトータルに管理しています。
そんな事ができるのも金属の鋳造に対しての
知識と経験があるというのもそうですが、
他のマテリアルの製造法やその地域特性を分かっていて、
なおかつ本人がデザイナーでもあるからなのでしょう。
しかし、鋳物屋さんで働いている職人さんの
平均年齢が60歳だというのは驚きました。
日本の鋳物製造業界の今後はどうなるのでしょうか。
野崎さんがんばってくださいね。



今までに作ったハンガーの種類は
1000種類は超えているという
ハンガーメーカーの(株)タヤさん
ハンガー製作のためのノウハウ、とても勉強になりました。
僕は普段そんなに細い材料はあまり扱わないので、
そのテンポよく製造されていく工程を
興味深く拝見させていただきました。



日本中はもとより、世界中からも仕入れてきた
いろんな種類の木材が莫大な量天日に干してあった
岡崎製材さん
それが乾燥されて製材されてまた乾燥されて
木材の板ができるまでにかかる長い年月に
気が遠くなりました。
金属の製品というのは品質がそろっているので
例えばスチールの角パイプは
どれも同じスチールの角パイプなのですが、
木を扱っている人に木の材料の話を聞いていると、
もうなんかワインのソムリエみたいです。
尊敬いたします。



鉄鋼業界の再編成の話や、
金属製品の仕入れルートの変化の話、
中国での製造業の話、かなりシビアなことなのに、
とても楽しくお話をしてくれた大誠工材の小山さん。
とても勉強になりました。
実名入りの話がきわど過ぎて
カットせざるを得なかったところが心残りです(笑)。
またいつかお話聞かせてくださいね。



金属のリサイクルをしているツチヤ産業さん
まるで重力が天地逆になったように、
何百キロの鉄くずが上空にある
巨大な電気磁石に引き付けられて
宙に浮いて昇っていくさまを見ていると、
本当に興奮してしまうんです(笑)。
多分、AKIRAの大友さんとかは
この景色を若い頃に見ているに違いないと
勝手に確信しています。



千葉の浦安に「浦安鉄鋼団地」という地域があります。
その中の井口産業の井口くんに
浦安鉄鋼団地の成り立ちや、
そのなかにある様々な加工工場を紹介してもらいました。
この街はすべてにおいてスケールが大きくて驚きの連続です。
僕は鉄フェチのようで、400mm厚の6m×3mくらいの
超巨大鉄板を見て、もうそれで興奮してしまいました。
300mm厚くらいの鉄板に
発火しているマグネシウムの棒を刺して、
激しく火花を出しながら5秒くらいで
穴を開けているのを目の当たりにした時は
もう気絶しそうになりました。
ジェダイのライトサーベルみたいでした。



新興プラスチックスさんは昭和25年から
三菱レイヨンのアクリル製品販売の第1号代理店となり、
日本の高度成長とともに
いろいろな種類のプラスチック製品が生まれるたび、
それらをいろいろなところに販売して
プラスチック産業をずっと見てきた会社です。
プラスチックの種類とその可能性のお話、
とても勉強になりました。



株式会社ティー・エイ・エヌさんは、
日本板硝子スペースクリエイツ(株)に社名変更されましたね。
ガラス業界のお話、いろいろなガラスの種類のお話、
聞かせていただいてありがとうございました。
日本板硝子スペースクリエイツさんは
べべリング、タペ加工などの加工を
自社でやってしまうすばらしい工場でした。



うちのスタッフが島崎鋼業さんにネジを買いに行くと
なかなか帰ってきません。
なんで遅くなったのか聞くと、
髪形とか服装とかのお説教を受けていたというのです(笑)。
またある時は、コーヒーを出してもらって、
延々と世間話を聞かされていたというのです(笑)。
たまにネジを買いに行ったのに
お煎餅をもらって帰ってきたりもします(笑)。
まるでそこだけ長い年月時間が止まっていたかのようです。
サザエさんに出てきそうな島崎さん、
このご時世にそんなネジ屋が一軒あるのも
ちょっと嬉しかったりもします。


皆様、お忙しい中、僕の取材に協力してくださって本当にありがとうございました。
皆様が素材のこと、加工やその技術のこと、会社のあり方のこと、生き様のこと、
いろいろ教えてくれたこと全てをこれからの私たちのデザインとモノ作りに生かしていきたいと思います。
そしてそれらを必ず次の世代に伝えてみせます。


清水薫 (1970生)
金属工房を経て、株式会社IDEE入社、IDEE WORKSHOPにて商品開発と製作を行う。
96年、EXIT METAL WORK SUPPLYを設立。
金属で物を作りながら考える事を中心に、家具・什器のデザイン、自社工房での製造、及び企業に対してのプロダクトデザインやマテリアルの開発等を行う。
2007年より既製品什器の製造・販売を開始。
メーカーを目指してみる。メーカーカタログサイト



#069 2010.09 モノ作り 今昔
#068 2010.08 上海見聞録
#067 2010.07 香港見聞録
#066 2010.06 現代手工業展2010
#065 2010.05 展示会の準備 その2
#064 2010.04 展示会の準備 その1
#063 2010.03 展示会について
#062 2010.02 NPOについて
#061 2010.01 新年のご挨拶
#060 2009.12 星のや京都
#059 2009.11 先人達に学ぶ
#058 2009.10 ビルの壁面のアート
#057 2009.09 rooms 19
#056 2009.08 日本のモノ作りについて思うことを少々
#055 2009.07 ハイテクなモノ作り
#054 2009.06 部屋を彩るもの ホームアクセサリー展
#053 2009.03 ホームアクセサリーを作る その1
#052 2009.02 EXIT この春の開発
#051 2009.01 両テは強えのか!2009
#050 2008.12 EXIT 今年の開発
#049 2008.11 井口産業の井口君
#048 2008.10 やさしいコンクリート KITSUJI
#047 2008.08 誰かの為のギフト&トロフィー展
#046 2008.07 トロフィーを作る
#045 2008.06 トロフィーをいじる
#044 2008.05 iron I(アイアンアイ)
#043 2008.04 現場で使える英会話
#042 2008.03 ロートアイアンのパーツのことならレッキーメタル オーナメント ジャパン
#041 2008.02 浦安
#040 2008.01 「溶接します。」
#039 2007.12 「ガス切りをやります。」
#038 2007.11 「パイプを曲げます。」
#037 2007.10 「鍛造やります。」
#036 2007.09 読書の秋
#035 2007.08 トラスボックス/EXIT 今月の開発
#034 2007.07 百合の義星/EXIT 今月の開発
#033 2007.06 協同して開発しています/EXIT今月の開発/平松工業 仕事展
#032 2007.05 什器のメーカーになってみよう
#031 2007.04 「モノ作り」白書
#030 2007.03 studioMIRA 太田彩子さん
#029 2007.02 工業用ネジからアートネジまで特殊ネジのことならなんでも 川端ネジ製作所
#028 2007.01 hitin metals 佐藤江利子さん
#027 2006.12 切れなくなったドリルの刃を研ぐ
#026 2006.11 チタンのことならなんでも 株式会社ティグ
#025 2006.10 建築金物全般と鉄の素地をそのまま見せる表面コーティングの研究と開発
株式会社 フロント
#024 2006.09 サンドブラストのことなら何でも 株式会社 仁木鍍研工業所
#023 2006.08 人の暮らしとすまいのために 株式会社マキタ
#022 2006.07 中古機械のことなら 北区 尾久 中古機械屋通り
#021 2006.06 作りながら考えてます
#020 2006.05 世界最高レベルのアルミ精密板金 株式会社 渓水 エアロコンセプト
#019 2006.04 電動工具の修理のことならなんでも 宮本電池株式会社
#018 2006.03 石材のことならなんでも 丸太石陶材株式会社
#017 2006.02 パイプ等の曲げ加工のことならなんでも アール産業 牧
#016 2006.01 RECENT WORKS
#015 2005.12 テーパーパイプのことなら 千葉テーパー製作所
#014 2005.11 コンクリートプロダクトならなんでも 立基建材工業株式会社
#013 2005.10 アルミ鋳造のデザインエンジニア オーシャンビートル(有)
#012 2005.09 ハンガーのことならなんでも 株式会社タヤ
#011 2005.08 木材のことならなんでも 岡崎製材株式会社
#010 2005.07 ステンレスデパート 株式会社 大誠工材
#009 2005.06 金属のリサイクルのことならなんでも ツチヤ産業株式会社
#008 2005.05 鉄鋼材料と加工品のことならなんでも 井口産業株式会社
#007 2005.04 HIZUKI
#006 2005.03 家具の物流から施工まで 株式会社オカムラ物流
#005 2005.02 プラスチックのことならなんでも 新興プラスチックス株式会社
#004 2005.01 GLASSとMIRRORの総合カンパニー 株式会社ティー・エイ・エヌ
#003 2004.12 ネジのことならなんでも 島崎鋼業株式会社
#002 2004.11 近藤康夫デザイン事務所代表 近藤康夫さん
#002 2004.11 TIME&STYLE代表 吉田龍太郎さん
#002 2004.11 STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎
#001 2004.10 展示会