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飾りネジもともと
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あるお寺の住職さんが、大正時代あたりの古い照明器具を、
道具屋かどこかで購入したようで。
その照明に飾りネジが付いていたのですが、
そのネジが本来3つ付いているはずの所
1つしか付いていないので作ってほしい、
という依頼を受けたようで。
制作を私がさせて頂くことになったのです。
まず、もともと付いていた飾りネジを確認しました。
色上げがされているようですが、
素材はどうやら真鍮のようです。
これは、金属で作った型を使って、
ある程度量産されたもののようでした。
とりあえず、3つ必要なだけなので、
今回は1つずつ、打ち出しで作ることにしました。
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罫書いて、タガネを入れました
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材料は打ち出しのしやすい銅板にし、
0.6ミリの厚さを選びました。
もとの飾りネジの板厚に近いものです。
まずは板に寸法を罫書きます。下絵を書くような感じです。
真ん中の円は打ち出して丸くしたりするので、
少し大きめにしておきます。
罫書いたら、その線をなぞるように、タガネを入れます。
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裏から打ち出し

淵を入れます

中央の辺りを形作ります
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次に、裏から叩きます。
この時に、割と強めに叩いて、形を決めるようにします。
あまりノロノロと何度も叩いていると、
地金が硬くなり、形が変わらなくなってきます。
そうすると、熱を加えて柔らかくし直さなければなりません。
(なまし)
時間的にもロスですが、なましの回数が多いと、
それだけ地金を多く叩くことになるので、
板がどんどん延びる上に、薄くなってしまいます。
そうすると、最初の寸法の計算も狂ってしまうので、
地金を痛めない程度に
思い切り良く叩くのがポイントだと思います。
裏から叩きだしたら、今度は表にし、
淵を内側に押し込みます。
さらに、中央の円の形を決めていきます。
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ヤニに貼って細かい所を作ります

サイコロで出っ張りを作ります

なんとなく見えてきました

細かい所を作ります

ネジを付けます

出来上がり

3つ目は途中ですが、原型と復元たち。地金の手配で、ファクトリーガールのあやちゃんにお世話になりました。
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ここからは、ヤニを使って作業します。
花びらの区切り目や形、中心の細工を、
タガネで形作っていきます。
花びらの上に付いている丸い出っ張りは、
サイコロを使って作ります。
ぼんやり形が見えてきました。
さらに、ヤニに貼り、細かい形を仕上げていきます。
形が出来たら、裏に真鍮棒で作ったネジを付けて、
出来上がり。
復元の仕事は、普段の仕事とは逆のことをするように思います。
イメージや、図面を形にするのではなく、
もう出来上がっているものを作る。
ものはあるけど、図面はないので、自分で考える。
正直、結構面倒くさい作業ですが、
これほど勉強になることもないと思います。
最初に作ったものよりも、
やっぱり3つ目の方が良く出来てしまいました・・・。
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デモンストレーション風景。
左:古賀さん 中:リカルド氏

リカルド氏の作品

リカルド氏の作品
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それから、今月は、世田谷にあるフラワーショップ、
Fleur de chocolat (フルードショコラ)の古賀さんが主催する、
フラワーアレンジメントのデモンストレーションにも伺ってきました。
今回は、イタリアを中心に国際的に活躍中のフローリスト、
リカルド氏の華麗なプロのアレンジメントを見せて頂きました。
2時間の内に12?13のアレンジメントを、
それもかなり大きなものなどを仕上げていく、
ハイスピードな仕事。
生の花相手ということもあり、
手早く、一撃必殺という感じ(?)で花の位置を決め、
迷いなく仕上げていました。
しかもそれは、どれもボリュームのある作りばかり。
ぱっと見の華やかさから、それぞれの花の美しさに至るまで、
1つのアレンジメントで様々な見方が楽しめました。
近いうちに、フルードショコラさんの花と合わせて、
フラワーベースを何点か作る予定でいます。
また、出来上がりましたら、
皆さまにご報告させていただきます!!
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