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今月は、武蔵野美術大学の先輩であり、
同じ金属で制作活動をしている
永井佳奈子さんを取材してきました。
永井さんは、武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科で金工を専攻。
卒業後は教務補助、さらに助手と、
6年間ムサビの学生を指導していました。
私が学生の時も、教務補助と助手をされていて、
その時からお世話になっています。
卒業後も、個展やグループ展をコンスタントに行い、
作品を発表しています。
作品を見れば、「あ!見たことある!」
と思う方も多いと思います。
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彫金家であったお父さんの道具。カスタムのぎす

これも使い易いように作られたおたふく

足踏みのふいご。永井さんはお父さんから受け継いで使っているそう。

中はこんな風に木の弁が付いています。ゴムや、革が劣化すると、修理して使うそうです。
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永井さんの作品の主題は人。
人の顔がいろんな所に出てきます。
人を主題に作品を作っている人は沢山いると思いますが、
永井さんの作品は特徴的です。
ご本人曰く、ふざけています。
うん、確かに、鼻水シリーズなんかは、ふざけていますね。
かわいいですけど。
作品はユーモア満載で、
その表情は、幼い子供のように無垢です。
ちょっと吹き出してしまうような、ほっとするような、
永井さん独特の表現。
漫画の世界から飛び出したような作品たち。
永井さんは顔の絵をかくのが好きな子供だったそうです。
その子供の頃の延長に今があると言います。
自分の原点を持ち続けているのですね。
かわいい表情の作品の中に、その強さを感じます。
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永井さん作品 「猫小物入れ」

「鼻水ボルケーノ」

「おたま三兄弟」

柔道部員

「メカカナコあらわる」

面白い人(永井さん)
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なぜ金属の素材を選んだのですか?との質問には、
「ムサビの学生時代、専攻を決めるときに、
一番独学で出来そうにないのが金属だったから、
勉強したいと思って。
それに、当時の金工の先輩は勢いのある人ばかりで、
楽しそうだなと思ったから。」
「あと、作るの楽だし!」
という返事。
実際のところは、金属を叩いて、
出したり凹ませたりする作り方が性に合っているようです。
だって、金属を叩いて表情を作るの、
全然楽じゃありませんよ!
永井さんはあんまり真剣なところを見せない、
照れ屋な人なのです。
作品のこだわりみたいなことありますか?
と聞いてみたところ、
「うーん・・、まぁ、ふざけたもの作っているけど、
仕事はふざけないように気をつけているかな。」
と。
面白いものを作っているからこそ、
完成度は落とさないというのがこだわり。
うーん、なるほど!
永井さんの仕事は本当に丁寧です。
最初は作風の面白さにばかり目が行ってしまうのですが、
ひとつひとつのパーツの作りや接合など、
繊細な仕事が施されています。
あの鼻水が飛び出している顔も、きちんと作られてこそ、
説得力を持つのですね。(私は鼻水に説得されました。)
永井さんはケトルやカップ、ライトなど、
日用小物も制作していますが、形の面白さだけではなく、
使い勝手のこともちゃんと考えてくれています。
プロ意識ですね。
文章を書くのも上手な人で、永井さんの日記は
読んでいると笑ってしまいます。
相撲にも詳しく、国技館に連れて行ってもらい、
楽しい相撲観戦も何度もしています。
着眼点の面白さが随所に表れている先輩を、
これかれも見習いながら、私も制作に励みたいと思います!
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結婚指輪

手前:18金 奥:プラチナ
内側の文字は手打ちです。
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今月制作した、友人の結婚指輪もご紹介します。
Hitin metalsらしい、打ち目のリングです。
旦那さんの方がプラチナ、
奥さんの方が18金イエローゴールドで作りました。
指輪のイメージと合わせて、
真鍮で作った箱に入れてお送りしました。
指輪だけではなく、箱も、
この世に1つしかない二人だけのものになりました。
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ベビースプーン 肉マーク

横綱気分ではいポーズ!
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それから、特注ベビースプーンも制作も作りました。
これは、ファクトリーガールのEちゃんこと
小川由利子さんの依頼の品。
ご夫婦が両方ともボクサーで、あることと、
Eちゃん制作の、恐竜の子供用お皿と合わせるとのことで、
なんと肉マーク入り。
もちろん、名前、誕生日、時間、グラムもお入れ致します。
絵柄のご要望にもお答えしますので、
赤ちゃんのお祝いに是非どうぞ!
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