3月になりました。 先月の終わり頃は本当に暖かく穏やかな日があり、このまま春になるのでは? と思いましたが、そう簡単にはいきませんね。 もう少し行きつ戻りつの気候が続きそうです。
先月の25日から、平和台にあるカフェ「トトスク」にて、 グループ展をやっています。 「トトテン」と題した5人展で、それぞれが違う素材で、 テーブルウエアを展開しています。 特に示し合わせたわけではないのですが、 淡い明るいトーンの品が揃い、 春を感じる柔らかい空間が出来ました。 小川さんの陶磁器と合わせた商品は いくつか展開していますので、 陶器との組み合わせは察しがついたのですが、 ガラスやレース網の方との展示は初めてで、とても新鮮です。 大迫友紀さんのガラスは繊細な薄さとラインが美しいもの。 薄い金属で作ったコースターを合わせてみたくなります。 上田容子さんの作品は、 細かい編み目と糸のふわふわした質感が可愛らしいもの。 純度の高い柔らかい銀を、 木鎚などでラフに叩いた小さなカップを合わせてみたら? などなど、妄想が膨らんでいきます。 小川さんと一緒にユニットを組んでいる、 knut ceramic studioの長谷川智恵さんの器類は、 細かい模様と淡い色合いに彼女らしさを感じます。 クレヨンで書いたような優しい肌感は、 思わず手にとりたくなるもの。 小川さんの淡い色調の絵付けシリーズも、 ロマンチックな花が入るとまた違った印象。 あの黒い犬はやっぱりかわいいです。 私は、箸置きやピックなどの細かい小物のバリエーション を増やして、置かせてもらっています。 さらに、小川さんの小さい壷に合わせ、 蓋とさじを組み合わせたシュガーポットを新たに作りました。 真鍮の荒しを打った蓋に、 銀の無垢棒を熱間で捻って作った棒を 真鍮の板にかしめ、つまみにしました。 真鍮で作ったさじは少し小さめに作ってあるので、 お砂糖でも、七味や塩などの薬味を入れても使えます。 去年の現代手工業乃党の展示をきっかけに始まった 小川さんとのコラボ品も、もう10点以上になりました。 カトラリーと皿のコラボや、湯のみと茶托、 フックなどのリビングアイテムやアクセサリー、 まだまだ二人で作りたいものは沢山あるので、 コラボ開発は続けていく予定です。 展示会などで発表していく予定なので、是非ご覧ください。
さて、先月の仕事で面白かったものですが、 友人からの依頼で、お祝いの器を制作しました。 銅の絞りで形を作り、淵に鏨でドット模様を付けました。 高台には唐草の模様、器の裏には、 依頼主からのメッセージを手彫りで入れました。 仕上げは硫化仕上げ、蜜蝋です。 硫化の濃い茶色が落ち着いた雰囲気を出しています。 果物や乾きものなどを盛って、 食卓やローテーブルの上などに置いて頂けたらと思っています。 裏には、ご結婚した二人の末長い幸せを願った一言 が入っています。 金属の器が壊れることはほとんどありせんので、 ご夫婦のこれからとずっと一緒に過ごしていってくれそうだと、 制作者としても幸せな気分です。
それから、陶磁器の作家、濱中史朗さんの制作された 髑髏の茶入れの蓋を制作しました。 濱中さんとは、去年、元麻布にある骨董店でありギャラリーの 「さる山」での企画展でご一緒させて頂きました。 店主の猿山さんからの依頼の品を よく作らせてもらっていますが、 これは、濱中さんの展示会に出品するということで、 以前制作しました。 好評だったようで、数をまとめて 追加制作の依頼を受けました。 焼き物はひとつひとつ微妙に大きさが違いますので、 本体を送ってもらっての制作です。 浅い皿状のくぼみに少しリムがついたような形の蓋。 全ての口の大きさを計り、 蓋が入らないことのないように作ります。 素材は銀、柔らかく絞りやすい970を使います。 単純な形ですが、大きさが小さく、 微妙な違いで寸法が狂ってしまうので、 手数に注意して制作します。 打ちすぎると地金が延びて薄くなってしまうので、 なるべく負荷をかけないように。 濱中さんは繊細な白の作品から、 このような重厚なグレーの作品まで、 様々な表情を作り出す作家さんです。 他のもの同様、この濃いグレーのシリーズにも、 各種皿類、お酒やお茶用の器など、いくつもの形があります。 (全部に髑髏がついているわけではないですよ。) 焼き物のことはあまり詳しくないのですが、 表面の質感に金属のような重厚感があり、 銀の蓋が良く合います。 このシリーズの器でご飯を食べるなら、 ずっしりと重さのあるカトラリーで食べたいですね。
今月は、3月19日から、 青葉台にあるウィズハウスプランニングさんのギャラリー、 「ウィズの森」で展示会を行います。 横浜の工務店ウィズハウスプランニングは、 神奈川県を中心に自然材料を使って 木の家を注文住宅で建てる工務店です。 ギャラリースペースには、室内に天然木の林やトンネルなど が作ってあり、木の質感や匂い、 ゆったりとした木の家の感覚が味わえる空間です。 そこに、作家の作品などを展示販売しているスペース などもあり、そこを使わせてもらう予定です。 今回の展示は、私が普段制作している 金属のテーブルウエアに加え、鍵かけや花入れなど、 リビングや玄関などにも合うアイテムをご紹介するつもりです。 小川さんとのコラボ作品もご覧頂きたいと思っています。 期間中、3月21日(日)、髪留めとピンブローチを制作する ワークショップも行います。 真鍮の板から、糸鋸を使って模様を切り出したり、 荒し鎚や鏨を使って模様を付け、 打ち出して立体感を持たせるなどの作業を行います。 工房から私の使っている道具を持って行きますので、 本格的な金属の仕事を気軽に体感してもらえる のではないかと思います。 金属に興味のある方は是非遊びにきてください!!
*お知らせ* 2010年3月19日(金)〜3月23日(火) 「ウィズの森」(株)ウィズ ハウスプランニング 〒227-0053 横浜市青葉区さつきが丘5-1 tel 045-979-1122 「hitin collection #2」 hitin metals の佐藤江利子が制作する、 テーブルウエアに加え、鍵かけや花入れなど、 リビングに合う金属小物を新たに作ります。 期間中、真鍮を使った、 髪飾りとピンブローチのワークショップを行います。 日時:3月21日(日)AM10:00〜2時間程度 料金:3000円〜4000円 お問い合わせはウィズの森(吉野さん) 又はhitin metals佐藤まで直接お願いします。 ウィズの森:045-979-1122 hitin metals 佐藤:es@hitin-metals.com