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ホーム > モノ作りの現場から > 井口産業 井口隆一郎 #006



現代手工業乃党として初参加した展示会「部屋を彩るもの ホームアクセサリー展」も無事終わり
協賛くださった企業の方、お越しくださった多くの方、そして展示会に携わって頂いた皆様方
本当にありがとうございました。
次回もまた良い展示会が出来ます様に頑張りたいと思いますので宜しくお願いいたします。

さて、今月から元に戻してまじめに鋼材について話して行きたいと思います。
たしか、鋼板について何とか話し終えた所かと思いますので、
次は我社が専業としていた形鋼をご紹介いたします。

まず、形鋼とは一般的に構造材として使われる鋼材の事を指します。
たとえば、H形鋼やL形鋼・溝形鋼など呼称に形鋼がつく物が多いので
形鋼と呼ばれているのでしょう。
鋼材を扱う上でミルシートはつき物ですが形鋼を商うときは必ずと言ってよいほどこのミルシートが出てきます。
ミルシートとは鋼材検査証明書の事で化学成分と機械的性質を
ロールごとに証明する大事な書類になります。
つまり、この品物は間違いなくどこのメーカー品で定められた成分を使い必要な強度などの性質
を保有している事を保証する書類なので形鋼のように構造材として使われる場合は
間違いなく求められるのです。
以前はテンプラと言って違うメーカーなどの品にコピーしたミルシートを添付する事もあったようですが
外国製品が多く出回った事とある事件を機に厳しく確認が成されるようになりました。
個人的には紛い品を納入されて建造物が崩壊してしまっては困るので
ミルシート発行は当たり前に思いますが業務としては大変な負担を強いられています。
あくまでもミルシートはサービス業務なので、、、
ちなみに見積もりも、、、


H 形鋼の切断面
2本の部分をフランジ
  1本の部分をウェブと呼ぶ。

それではまず皆さんご存知の H 形鋼から
始めたいと思います。
この鋼種は、骨材として使われる事が多く
建物や機械・プラントなどの柱に使われる
建築材としての側面と
道路や橋梁・岸壁などの杭として使われる
土木材としての側面があります。
一般の種別として、
広巾 100X100〜400X400などは架台や土木に使用され
中巾 148X100〜900X300は建築と土木、
細巾 100X50〜600X200は建築と
用途が分かれています。
特に制約はございませんが。
H形鋼は地表に対して垂直方向へ使う事に向いた
剛性を持っているようです。
ちなみに通常の呼び名は
H100X100なら"エッチ、ヒャクダブル"
H588X300なら"エッチ、ゴッパッパサンビャク"
などと呼びます。
定尺は6Mより13Mまでの1Mピッチです。


I 形鋼の切断面
部位の呼び名は同じです。

同じような形状で I 形鋼というのがあります。
これは H 形鋼が縦使いだとすると横使いのものになります。
梁やレール・レールのベースに使われたりしていて
主に建築材として流通しています。
違いとしてはフランジ部が端部から
ウェブのある中心にかけて厚くなっている事です。
この形状によってフランジを水平に保て、
地表に対して水平方向に向いた剛性を作り出しています。
I 形鋼はアイビームと呼んでいます。
H 鋼ほど種類もないので特別な呼び方はありません。
定尺は6Mより12Mまでの1Mピッチです。



チャンネルの在庫
次に溝形鋼です。これは通常、チャンネルと呼ばれています。
英語で溝という意味があるようです。
使われ方は、建築材が主用途ですが
色々な使われ方をしています。
形状として H 形鋼をウェブ部で半分に切ったような形状で
昔は H 形鋼が作りきれない時代があって
チャンネルを2本使って代用していたりしていました。
古い鉄橋などにそのような痕跡は今でも見る事が出来ます。
呼び名は [ 5X40X75は"チビチャン"
それ以上のサイズは [ 5X50X100は"ニーヨン"など
と呼び"ゴノゴジュウノヒャク"は長いのでインチ呼称を使っています。
定尺は5.5Mと6Mより12Mの1Mピッチです。


アングルの在庫


不等辺不等厚アングルの在庫
これは主に造船材です。
ただの不等辺アングルもあります。

そして、 L 形鋼です。アングルと呼ばれている物です。
英語で角度という意味ですね。
この材料も、ありとあらゆる所に使われます。
骨物の中でも小骨といった使われ方です。
直角の部分を保有している事もあり定規というか
当て金として役割も果したりします。
種類も多く使いやすい商品構成となっています。
呼び方も特になく L 6X50を"アングルロクゴジュウ"と言います。
定尺はL3X20〜L5X40などの
スモールアングルで5.5Mと6Mで
それ以上のものは5.5Mと6Mより12Mの1Mピッチです。
L4X50〜L13X100までは建築用途が多く
L9X130〜L25X250は土木サイズと呼ばれています。


これらは一般的に形鋼問屋が
主に扱っている種類になります。
それ以外のものもありますが
次回に紹介させていただきたいと思います。

今回は、(株)ダイサン様と東洋鋼業(株)様に
取材協力いただきました。
いつもお世話になりありがとうございます。


『 vein 』

今回の展示会で二つほど製作したものがあるので
ご紹介させていただきます。
ひとつは、曲げパイプで構成したスタンドライト『 vein 』です。
『ヴェイン』とは昆虫の支脈のことで
昆虫の羽根を線で表現しています。
全体としては妖精をイメージして
空に向いながら地面照らしているような
地面から生えて空に羽ばたくような瞬間です。
表面をTIG溶接機で全面を溶かし込んで
表情を作っています。


『iguchi steel poster 2008   
in rivet frame』

もうひとつは、井口産業2008年のポスターの額縁です。
毎年、アートディレクターの喜多昭夫さんが
自ら作ってくれている物を使わせていただきました。
2MX1.5Mとかなりの大きさなので困惑したのですが、
よい出来になったと思います。
やはりこの大きさに意味があると思わされました。
大事に会社に飾らせていただきます。


ジリ安傾向
高炉メーカーの値下げがあり相場も底を打ったと言いたいが
売れ行きの先細り感と在庫整理の安値受注が止まらず
相場も崩れ気味である。
やはり夏に向けての景気の状況が与信に関連して
相場に反映されるのではないか。

井口隆一郎(1973生)
1996  東京造形大学 比較造形学科 卒業
1998  E&Yにて製作担当
2001  井口産業入社

現在 鋼材販売営業及び鋼管曲げ加工担当。
年に何回か発作的にモノ作りを始める二児の父。



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