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ホーム > モノ作りの現場から > 井口産業 井口隆一郎 #007



先月は、一般形鋼と言われる物について話していきました。
今回はそれ以外に形鋼と分類されている物をご紹介していきます。
分類は色々あると思いますが浦安での分け方で進めさせて頂きたいのでご容赦ください。


FBの小さいところの在庫


ワイドFBの在庫


角鋼の在庫

まず、平鋼です。
これは、フラットバーと呼ばれており
FB(flat bar)と表記するのですが
本当によく使う鋼種で、定規として使ったり
補強やビルトエッチ(BH)の様に骨材にもなり
主用途は建築材となります。
幅切りされた鋼板みたいな物ですが、
板から切断するよりねじれがないのと成型品なので
切断面がありません。
しかしそうはいっても、たわみやゆがみもあったりして
メーカーによってくせが違ったりします。
ちなみに、粒がそろっている物を要求される時に
うちでは王子製鉄(株)の品物をお勧めしています。
注文書に『王子指定』とたまに書いてあります。
サイズもかなり多くて浦安では、
専業で在庫しているところもあるぐらいです。
通常の定尺は5.5Mと6Mでワイドフラットは6Mのみになります。
ワイドフラットで物によっては12Mも存在します。
ワイドフラットは幅が160mm以上のものを指します。
サイズ呼称は二面しか寸法がないので
FB6x50であったら"ヒラノロクノゴジュウ"などと呼びます。


平鋼屋さんの倉庫

次に角鋼です。
こちらも、平鋼屋さんに在庫されていることが多く
言うなれば平鋼の幅と厚みが同じものになります。
小さい物は磨き材になってしまい黒皮では□9.52が最小です。
表記はSB(square bar)で角鋼はそのままの呼び方をします。
定尺は5.5Mオンリーです。
呼び方は□9.52でしたら"カクノキュウテンゴーニー"と
いった言い方をします。


カラーC形の在庫
これはグレーですが通常は赤さび
塗装(奥に見えている物)がカラーと言っています。グレーは最近のはやりのようで以前は特色として後塗装したりしていました。
ほかにメッキ品(亜鉛)と黒皮があります。


軽溝の在庫(ほぼ黒皮のみ)


軽量Hの在庫(カラーのみ)

そして軽量形鋼。
軽溝形鋼・C形鋼・軽量H形鋼があり、
呼び方はケイミゾ・シーガタやシーチャン・ライトエッチや
ケイリョウエッチなどが主流ですが
いろいろな呼び方を皆さんされています。
これらは、ほぼ建築材として使われていて
住宅などの比較的小規模で
耐力を必要としない軽量鉄骨造の骨材として
柱や梁・屋根下地などに見ることができます。
軽溝とC形はフォーミング製品ですので
板から作られていますし、
在庫店はパイプ屋さんが多いので形鋼
という括りには疑問を感じますが
浦安ではそのような分類の様です。
定尺は軽溝が6M・8Mで、C形は6Mより12Mまでの1Mピッチ、
LH(ライトエッチ)が7Mより12Mまでの1Mピッチです。
呼称は軽溝はLU2.3X60X30なら
"ケイミゾニイテンサンノロクジュウサンジュウ"
C形はC2.3X100X50X20でしたら
"シーガタニーテンサンヒャクノゴジュウノニジュウ"
一応リップまで言うと軽溝と間違うことはないです。
ライトエッチはLH3.2X4.5X200X100は
"ライトエッチヨンテンハンニヒャクヒャク"
とH形鋼と違いフランジの厚み違いがありますので
気をつけないといけません。


キーストンプレートの在庫


デッキプレートの在庫


MAデッキの生産ライン


MAデッキロールフォーミングして
いるところ(始まりの方)


MAデッキロールフォーミングして
いるところ(終わりの方)


MAデッキの在庫

最後に、デッキプレートも形鋼らしいので紹介します。
これもフォーミング製品でかなりの種類が存在しており、
大きくデッキプレートと合成スラブ用デッキプレートに
分かれています。
合成スラブ用デッキとして大きなメーカーでは
明治鋼業のMAデッキ・JFE建材のQLデッキ・
日鉄建材のスーパーEデッキなどです。
使い方はデッキプレートと言う位なので床材ですね。
住宅から超高層ビルまでスラブ下地として使われています。
かなりのスパンを飛ばすことができ、
梁を減らしてスッキリとした空間を作れるので
主流になっています。
合成スラブ用と普通のデッキプレートの違いは
施工方法になります。
合成スラブ用の方が進化しているデッキプレートと言え
施工も簡単になっており、需要の半分以上は
こちらに移行しているようです。
そしてデッキプレートに近いものでキーストンプレートがあり
屋根材だったり壁材としても使ったりします。
長さはデッキとキーストンは6Mより10Mまでの1Mピッチで
MAデッキは8Mが定尺になります。
通常、合成スラブ用デッキは物件ごとに寸法を合わせて
製作されています。



今回は、西村鋼業(株)様と、(株)長谷川パイプ商会様、
そして明治鋼業(株)様に撮影協力いただきました。
いつもお世話になりありがとうございます。




注釈
ビルトエッチ 巨大な建物や変わった形状の建物
を建造する際などに
通常のH形鋼ではないサイズが
スペックされていることがあり
そのサイズに合わせて
溶接により作られたH形鋼のことを言う。

磨き材 仕上げの磨きなどと違い
冷間引抜きによってオーバーサイズの物から
製造された品物の事。
後日紹介予定。

フォーミング製品  鋼材では通常、板よりロールによりかたどられたものを指します。
ロールフォーミングとも言います。




弱含み横ばい
新聞等では海外需要の復調など
景気の良い話がちらほら出てきているうえに
スクラップの値上げ・在庫のタイト感と下げ止まりそうではあるが
荷動きの悪さは相も変わらずといった所。
ステンレスは値上げに転じている。

井口隆一郎(1973生)
1996  東京造形大学 比較造形学科 卒業
1998  E&Yにて製作担当
2001  井口産業入社

現在 鋼材販売営業及び鋼管曲げ加工担当。
年に何回か発作的にモノ作りを始める二児の父。



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