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ホーム > モノ作りの現場から > Notcho's workshop 木下悟(Notcho) #006



みなさん、「水引」ってご存知ですか?

知人のテキスタイルデザイナーの有田昌史さんが2月1日より「ものづくり学校」のギャラリーで
「飯田結びの魅力と展望ー飯田水引展ー」の展覧会を企画されます。
私は有田さんにこの展覧会の製作と設営を依頼されました。
そもそも「水引」はお侍さんのまげを結うときに使う元結いからきています。
今でもお相撲さんのまげを結うときにも使われています。


野々村義男さん 水引作り60年

そんな「水引」は贈答品を包装する際に、
紅白の糸をかけて結んだことから始まったといわれています。
結びに気持ちをこめる時に使われていた、
日本の古い伝統の文化です。
おめでたい時には紅白になり、
お葬式では白黒になるものです。
近頃では結びに気持ちをこめるという
「水引」の本当の意味はなくなりつつあります。









これを機会に「水引」のことを詳しく知りたくなり、
日本で唯一「水引」を作っている職人さんを訪ね、
有田さんと長野県の飯田市、
松尾清水にある「野々村水引店」さんに行って来ました。

そもそもなんで飯田なのか?
それは江戸時代までさかのぼります。
飯田は水がきれいで温暖であることで
和紙の生産が盛んでした。
その当時、桜井文七さんは
和紙の別の使い方がないかとあたまをひねりました。
その結果和紙はよることによって強くなり、
それがまげの元結いにむいていることを発見しました。
文七さんは和紙をつくる村人たちと
元結いの開発に成功しました。
彼はみんなでつくった元結いを背中にしょって、
甲州街道を何日もかけて、ひとり江戸に行きました。
そして元結いを売り歩きました。
その後江戸中で「文七元結」としてとても評判になり、
さらに全国各地より注文がくるようになり、
江戸名物のひとつとして数えられるようになりました。

当時、飯田では200件ぐらいの水引き屋さんが
軒をならべる賑わいをみせていましたが、
今では「野々村水引店」さんのみの
1軒になってしまいました。
そこでは今でも職人の野々村義男さんが
オートメーションになったとはいえ、
作業の行程は昔ながらのもので、
ていねいにものづくりされていました。







「水引」はおもてなしの心の表し
結びに気持ちをこめて人と人との心を結ぶ
何か物を送る時、もてなす時に水引をそっと添える
このような気持の伝え方は美しいと思いました。
みんながこのような水引の意味を知っていれば、
自分で結んだ、のし袋がたとえつたなきものであっても
気持ち以上のものが伝わるように思います。
ここに、私は忘れたくない文化、
忘れてはいけない文化があるなぁと思いました。
こんな素敵な日本文化に出会えて、
改めて、気持ちの伝え方の大切さを知りました。
これこそ、すばらしいプロダクトデザインだと思います。

今回の展示会では、水引を通して
日本人の気持ちの伝え方を学び、
お互いのちょっとした日常の行き違いが
温かいものになればいいなぁと思います。
僕もこんな気持ちを大切にして、
この展示会にむけて、作業していこうと思います。
是非、展覧会にいらして下さい。


有田昌史さん
「飯田結びの魅力と展望 -飯田水引展-」
水引ワークショップ「旧正月に縁を結ぶ」





告知!
来月、2月17日のワークショップは
デリバリーワークスさんデザインの
スイッチプレートをつくろう!です。
ふるってご参加ください!
よろしく、お待ちしております。



謹んで新年のお慶び申し上げます。
旧年中はありがとうございました。
皆様の良い年でありますように心より願っております。
本年もどうぞ宜しく、お願い申し上げます。
木下 悟


Notcho(木下悟) (丙午 牡羊座 B型)
(株)イデー企画開発部にて11年製作を担当。
2006退社後、独立し木工を中心に日々製作し続けています。




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