モノ作りの現場から(アーカイブ) | 読みモノ(アーカイブ) | 最新のコンテンツはこちらです
ホーム > モノ作りの現場から > savor 末松貴久 末松佐和美 #012



今回はメッキとその後の加工で出来る表現を照明のフレームを作りながら簡単に説明・紹介してゆきます。


(1)生地


(2)サンドブラスト加工後


(3)サンドブラスト加工後


(4)メッキ加工


(5)メッキつけっぱなし加工

照明フレームの依頼は
メンズブランド Attachment(デザイナー熊谷和幸氏)、
2002年はじめて路面店を構える時からのお付き合いです。
なんとsavor設立、初のお客様なのです。


こだわって念入りに製作されたテキスタイルに、
縫製仕様など、細部の研究、洗練されたパターンから成る
デザイン・シルエットは完全に独自のものになっていて、
着る心地よさ・楽しさをAttachmentは毎回みせてくれます。
素材を加工する幾通りもの工程を探求する姿勢や物作りに対する熱意に
いつも気持ちの良いエネルギーとヒントをもらいます。
とても尊敬している先輩です。


Attachmentの什器やその他の小物を作るときは互いに何度も、
その質について等を話し合い物を作ってゆきます。
大変面白いのです。


さて、今回の仕上げは・・・

ミガキの丸棒で作った(savor製作)照明のカサ(写真1)を、
研磨屋(有限会社新成研磨工業所)さんで、
製品に砂を吹き付け表面にキズをつけるサンドブラスト加工を行います(写真2&3)

次にメッキ屋(深田パーカライジング株式会社)さんで
ユニクロメッキのつけっぱなし加工*1をした後(写真4&5)
塩素系の薬品*2を霧吹きで吹き付け酸化(錆)させ、
つやをなくします。(写真6)

その後、これ以上の酸化(錆)が進行しないよう
全体の風合いを固定するために、
メラミンのつや消しクリアーを塗装(西村塗装さん)して、完成です。


こうして、「savorがフレームを組む」からスタートした照明のカサが
全5工程を経て味わい深い肌をした、
ガレージなんかで目にするような風合いとは
また違った照明のカサになっていきました。


(*1)ユニクロメッキ加工物の例
鉄鋼用のねじ・ビス、釘(シルバー物)など。
ユニクロメッキは2つの加工段階の後完成するのですが、
1つの工程段階でSTOPすると黄色っぽいシルバーの状態になります。
その段階で次の塩素系加工がしやすくなると思い
savorはこの1つの工程段階で止めることにしました。
(Attachmentの什器・小物などでよく使っている方法です)

(*2)うちではサンポール(そうです、ト○レ掃除用品の)を水で薄めて使用します。


(6)塩素系薬品を吹き付け酸化





Attachment デザイナーの熊谷さん
「これって時間を作っているよね。
ふつう、自然劣化だと1年くらいかかるものね」



そうです。
野ざらし雨ざらし。
風化されたそれは静かなときの積み重ねからなる産物。
それを3週間で作る行為は一見人工的ですが、
それぞれの職人が1工程づつを丁寧に仕上げてゆく流れは、
野ざらし雨ざらし1年分に値すると思いました。


イメージから打ち合わせを重ねてこのようは加工工程が生まれました。
面白いことは無限に広がっていると思います。
いろいろ挑戦することは時間も失敗もつき物ですがとてもやり甲斐がありいいものですね。


最近の末松
デジカメを新しくしたのですが、まだ慣れておらず
写真では伝えきれないところがたくさんあります。
今回の照明もそうですが、その他の什器のディティール、
そして何よりAttachmentの洋服もぜひ肉眼で見て体感してきてください。

Attachment
渋谷区恵比寿西1-33-3 #103

次回は〜深田パーカライジング株式会社さん・メッキについて〜を紹介する予定です。


サボア 末松貴久 (1970生) 末松佐和美 (1974生)
末松貴久
89年(有)ステンレス共同製作所、96年 EXIT設立に参加。
2000年savor結成

末松佐和美
96年 saew 服飾小物作家として。
2000年savor結成。

主に金属を加工して、家具・金属の造形物(オブジェ)・店舗什器・プロダクトのデザイン・製作、プロトタイプ製作、技術協力などをしています。



#034 2007.07 展示会の総括
#033 2007.06 展示会への助走
#032 2007.05 再利用の巻
#031 2007.04 蜜蝋の巻
#030 2007.03 第十一回おおた工業フェア
#029 2007.02 ハンドパワー
#028 2007.01 最近思うこと
#027 2006.12 仕上げ − 黒く色づける
#026 2006.11 職人大集合
#025 2006.10 結び方
#024 2006.09 新作スツールの製作
#023 2006.08 最近の仕事 −イス−
#022 2006.07 展示会を振り返って
#021 2006.06 展示会へのアプローチ
#020 2006.05 削る(仕上げ)
#019 2006.04 作品紹介
#018 2006.03 3次元丸棒の曲げ
#017 2006.02 再生
#016 2006.01 ガンダム展
#015 2005.12 接着剤について
#014 2005.11 イサムノグチ展にて
#013 2005.10 深田パーカライジング(株)
#012 2005.09 メッキの表現
#011 2005.08 仕事内容
#010 2005.07 スチールの薄板について
#009 2005.06 金物について
#008 2005.05 今井健太郎建築設計事務所
#007 2005.04 “教えるということ 教わるということ”
#006 2005.03 株式会社西村コーティング
#005 2005.02 有限会社新成研磨工業所
#004 2005.01 有限会社昭立製作所
#003 2004.12 東京都立王子技術専門校
#002 2004.11 EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫
#001 2004.10 展示会