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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #005



木製品を作るにあたって一番重要な事は正確な板材を作る事である。

板材は木製品の部材として最も基本的で重要な部材である。木材のねじれや反り、曲がりなどをとってから正確に板材を作らないと良い製品を作る事はできないし、不正確なまま板材を作り、加工して組み立て、完成させたとしても、必ずどこかにその歪みが生じる。うまくない。

今回はその作業工程を簡単に紹介したいと思います。




1. ナガモノで荒削りの材料から必要である適切な材料を選ぶ。
(うちでは主に北海道産のなら材を使う事が多い。)

横切り用テーブル移動丸のこ盤



2. 次に部材の長さどりである。
(横切り用テーブル移動丸のこ盤を使用)
ここでは場合にもよるが、だいたい必要寸法より3ミリから5ミリ
くらいのばして切断する。
正確な長さ決めはきちんと板材を作ってからである。



軸傾斜万能丸のこ盤





3. そして幅どり。
(軸傾斜万能丸のこ盤を使用)
ここでも必要な幅よりもほんの少し広めにさく。
このあとの作業をやりやすくする為と材料のムダを省く為である。





手押しかんな盤






4. そして最も重要である、第一基準面をつくる。
(手押しかんな盤を使用)
部材のねじれや反り、曲がりなどを見極めて
部材のムラを取り、基準面を正確につくる。




5. その第一基準面を案内定規にあてて木端面を削り、
板材の直角をだす。
(手押しかんな盤を使用)



自動一面かんな盤



6. 今度は厚さ決めである。(自動一面かんな盤を使用)
部材を一定の厚さに正しく削り必要寸法までこれをくり返します。



7. 幅決めである。
(軸傾斜万能丸のこ盤を使用)




8. 正確な板材の完成。


このように木製品を作ろうとする時に、必要な加工部材を用意するのには
簡単に紹介しただけでも結構な手間はかかる。
ただ、これをしっかりとやって、正確な板材を用意し、
その上で間違いのない加工を施していけばきちんと木製品はできる。
正確な部材を作ること、それが木製品の品の良さを決めるのかもしれない。
もしそうであると考えるとすると、きちんとやらなければならない。

『展示会場ではその木製品の基本的な部材の板材のみでテーブルとスツールをつくり出しています。
基本に帰る事を大切にしたいと思いつくり出したものです。是非ご覧下さい。』



渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



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