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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #025



ここ数年、頭の片隅にずっと置きっぱなしになっていたことが、最近やたらと、気になっている。
わかってはいたけど、行動には移さず、そのままにになっていたことがある。









それは、自分がデザインし、製作して納品してきた家具は
お客様の手に渡った後、どうなっているのかである。
店舗の場合はたまに見に行けばそこにあるのだが、
個人住宅の場合はなかなか見に行く機会は少ない。
日々のお手入れはどうだろうか、
たまにメンテナンスはしているのだろうか?
うまく使えているだろうか?
役に立っているんだろうか?
まさか、捨てられてはないだろうかなど。
気になる事はいっぱいある。

そのうちのひとつで買い換え問題。
独立して8年しか経っていないのだが
買い換えたいという要望もあるのは確かだ。
子供が生まれたから、ダイニングテーブルを大きいモノに変えたい、
以前より大きなところに引っ越したので、
ソファーを1800位のモノにしたいなど、
いくら長く使える家具を製作しているからといっても、
生活環境の変化についていけない場合もある。
友人等が引き取ってくれる場合はまだ良いのだが、
その時は一生使うと言って買った家具なのだが、
そうもいかない場合もある。

どうなっていくか。
その後を追っていくことは、
モノを生みだす仕事をしている僕には
重要で考えなきゃいけないことだと思う。

最近そのことでうまくいった例がある。
こんな事ばかりではないが
こういった生き残り方もあるんだなぁと。
考えさせられた。

写真にでているガラスケースは
横浜のパンケーキ屋(モトヤ)さんのためにつくったのだが、
店頭での販売形態を変えるそうで、
この大きなガラスケースの行き場所がなくなってしまいました。

そこで、うちの横浜工場で引き取り、
メンテナンスをして京都の雑貨屋さん(アンジェ)の新店舗に。
今度はパンケーキではなく
文具雑貨のガラスケースに生まれ変わりました。
どちらも内装デザインから製作とスタンダードトレードで
担当している部分があるため、家具の行き来が成功しました。

こういったことはまれかもしれないが、
自分が生み出したモノに対して
追いかけることが必要ではないかと思う。
手放す事になってしまうとき、相談にのれる会社でありたい。
デザインして製作して納品し、引き取る覚悟もある。
そういったことに重要性を感じている。


渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



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#033 2007.06 自分の使用する材料
#032 2007.05 椅子の修理・張り替え
#031 2007.04 建築パーツ
#030 2007.03 飯田水引
#029 2007.02 神戸の現場
#028 2007.01 床塗り
#027 2006.12 定番商品
#026 2006.11 小物製作
#025 2006.10 どうなっていくか
#024 2006.09 Bayon(バイヨン)
#023 2006.08 細部に手を入れる
#022 2006.07 継ぎ手と見た目とその工夫
#021 2006.06 細くなる材料
#020 2006.05 繰り返し繰り返し
#019 2006.04 家具はメンテナンスフリーではない
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