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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #027



僕は目黒区五本木にオリジナルの定番商品を売るお店を構えている。
お客様の注文に応じてデザインをし、横浜工場で製作しているのだが、
僕の考えを示す意味でも定番商品は必要だと考えている。

きわめてシンプルなものを定番商品として販売しているのだが、
そのほとんどは、日々のデザインや製作の中からで学んだ結果であると考えている。
「最低限の機能をもつ佇まいのきれいな家具、そして製作しやすく、強度がある。」
このことを目標に僕は日々同じ様な事を繰り返している。
日々の特注品による訓練から、学んだ技術の集大成が僕の定番商品。
3年に一度マイナーチェンジをしている定番商品をその理由つきで、今回は紹介します。

(五本木のショップ、もうすぐオープンする玉川の新ショップ共にご覧いただけますのでどうぞ宜しく御願い致します。)
http://www.standard-trade.co.jp/access/access.html



「堅めの3人掛けソファーに、ターコイズブルーがきれいなシングルソファー」

両方とも座面が堅く長時間座っていても疲れにくいのが特徴。
堅さの調整や座面の高さ、奥行きを主に微調整しています。
座面の高さは日本人の膝下の長さとの関係が強く、
座面の奥行きはとくに座り心地に関係があるので、
そのあたりを微調整しています。



「小振りなブックケース」

これは一年くらい前の新商品。
サイズ違いで展開していて、600、900、1200ミリの3サイズです。
正面材が内側に傾斜しているので
本が安定して見えるのが特徴です。
地味ですが、棚板の可動ピッチを再検討している最中です。



「細身のウッドベンチ」

これも600、900、1200ミリの3サイズで展開していて、
奥行きが175ミリと細いのが特徴です。
細くても十分座れ、狭いところでは大活躍です。
これは、材料の平均的な幅から
最小限の切削で仕上げるようにしているので、
180ミリから175ミリに5ミリほど、昨年すこし細くなりました。
流通している材料の幅が細くなっていくことを実感。



「板背とスリットの椅子」

堅めに仕上げ、長時間座っていても疲れないようになっています。
これは、奥行きと幅、背の角度を主に微調整しています。
一般的な椅子より背を少し立ち上げていて、
姿勢が良くなるようにこれも昨年マイナーチェンジ。



「ブックエンド」

これは家具の端材を中心に使って製作されています。
これは今のところマイナーチェンジなしの優等生。
さすがにシンプルで、来年あたり厚みをいじろうかなぁと。



「勝手に送られてくる手紙の一時保管に役に立つレタースタンドと、名刺入れ。」

これも同じく端材を中心に使っての小物。





「これらを組み合わせた実例、2件」

これらの定番商品を繰り返し製作していくことによって、
見えてくる事があって、それについて改善を繰り返す。
定番商品にはそんな役目もあると考えています。


渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



#034 2007.08 結論
#033 2007.06 自分の使用する材料
#032 2007.05 椅子の修理・張り替え
#031 2007.04 建築パーツ
#030 2007.03 飯田水引
#029 2007.02 神戸の現場
#028 2007.01 床塗り
#027 2006.12 定番商品
#026 2006.11 小物製作
#025 2006.10 どうなっていくか
#024 2006.09 Bayon(バイヨン)
#023 2006.08 細部に手を入れる
#022 2006.07 継ぎ手と見た目とその工夫
#021 2006.06 細くなる材料
#020 2006.05 繰り返し繰り返し
#019 2006.04 家具はメンテナンスフリーではない
#018 2006.03 経験の幅
#017 2006.02 訓練校
#016 2006.01 シンプルに。
#015 2005.12 ビンテージオーディオの修復
#014 2005.11 修理から学ぶ
#013 2005.10 刃物から
#012 2005.09 家具へのアプローチ
#011 2005.08 木製フローリングの伸縮
#010 2005.07 なべぶた
#009 2005.06 わからない程度の調色
#008 2005.05 複製によってわかる事
#007 2005.04 家具から内装へ
#006 2005.03 手に入る材料と向き合う
#005 2005.02 正確な板材から
#004 2005.01 ドアノブプレート
#003 2004.12 木材塗装の退色について
#002 2004.11 special source モリソン小林
#001 2004.10 展示会