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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #030



先日、水引が地場産業のひとつである飯田市に行ってきました。

水引を簡単に言えば、のし袋やお祝品などの、贈り物の包み紙などにかける紅白や金銀などの紐のようなもので、
薄い和紙をこより、糊を何回もすりこませるようにひいて、乾かして固めたものです。



飯田市の水引は全国でも約70%生産をしていますが、
近年の中国生産品、水引プリントなどの登場もあって、
あまり良い状況ではありません。
どの業界も同じですが、これからの水引のあり方を
模索しているようです。
そのことで、全国商工会連合会からの依頼で、
飯田市県商工会のお手伝い(仕事)を
図案家の有田昌史氏と行ってきました。


手引き、手塗装、機械引きと様々な手法がありますが、
そのひとつの手引きを簡単に紹介します。



和紙のロールから適切な幅にさきます。
さいた幅によって強度が違ってきますので、
用途に応じて変えているそうです。



さいた小さなロールを上部の木製の筒のようなモノに絡ませて、
回転させ、どんどんこよっていきます。
こよったものは下部で同時に巻き取っていきます。



こよった和紙を20メートルくらいにのばして、
何回も手引きで糊をすり込ませていきます。
これがほんとに繊細な力仕事で、大変そうでした。



顔料などで色つけ。
均等に紅白になるように丁寧に手でつけていきます。
飯田市でも一番歴史が長い工場の大ベテランの職人さんです。



できあがるとこんな感じで紅白や金銀になります。



飯田水引工芸基本の結び




後日活版印刷で、英語とフランス語を印字して
ナラ材のケースにいれて、完成。

水引は、飛鳥時代に遣唐使小野妹子が
航海の無事を祈って紅白の紐を結んだのが始まりのようで、
人と人とをつなぐ、心を結ぶものして、
日本の美しい文化のひとつです。
その美しい文化をささえる技術はまた、美しい。
こういったものは、何らかの方法で現代にも
生きるべきだと考えています。

僕がやっている木工も同じであり、また、そうでありたい。


渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



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