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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #032



スタンダードトレードでは家具の修理・修復をやっている。
自社で製作した家具はもちろんだが、他社で製作したモノも修理している。
よその商品はあまり扱いたくはないのだが、よその工場の裏側を見ることになるので、
非常に勉強になるので、うちでは引き受けている。
本当はつくったところが修理修復をやってくれればいいのだが、
そういったことをうけてくれなかったり、購入したお店がなくなってしまったりと、
どこに持っていいのかがわからないようで、工場のあるうちに相談にこられます。

今回は簡単にそんなものの紹介です。


張り替え前


張り替え後


「佐々木邸」
高校生の時に使っていた籐の椅子の張り替え。
籐の修理はやれるところが非常に少なく、
材料も良いモノを手に入れるのが困難な状況で、
この仕事は難しく、非常に時間はかかりました。
だけれども、難しいからと言って捨てずに、
修理して、再使用することに意味があるとおもったので、
お受けしました。


張り替え前


張り替え後


「長野邸」
これは座面が少しへたってきたのと、
色が派手だったため、部屋にもなじまなくて
飽きてしまい、張り替え。
中身の補充と張り替えで気分一新。

張り替え前


後ろは板ばね


張り替え後


「久家邸」
これも座面が少しへたってきたのと、
子供たちによる汚れが目立ってきたので張り替え。
これは、海外製品で、座面の下の板バネが
構造上の特徴でした。
結構海外製品は強引な考え方ですね。
当然、中身も持ちが良いように変更・補充。


修理・張り替え前


修理・張り替え後


「小沢邸」
これはほぼ壊れていました。
使用できる状態ではなかったのですが、
かたちを気に入っていらっしゃったのと、
古いモノを大事にする気持ちで修理・修復、張り替え。
バネが完全にバラバラになっていたので一から締め直し。
この作業もできる人が減っています。


張り替え前


Sバネ


張り替え後

「池田邸」
革張りの椅子でしたが、
座面が特にひどくゆるんでいました。
Sバネというバネで座り心地を調整しているモノで、
比較的現代の椅子にも使用されています。
張り地は革から布地に変更。
鮮やかな色できれいな椅子になりました。





日頃から椅子に限らず
家具の修理修復をやっているのだが、
ビジネスとしては全くの赤字。
だけれども、こうしたほうがいいのかなぁとか、
こうなっているのかとか、他社製品は非常に勉強になります。
もちろん、こうしちゃいけないんだなぁという
反面教師のようなものも多く、
そっちの方が特に身になるかな。
自分たちで考えることに、自信をもっていくのも大事だが、
よそのモノをじっくり見るのも非常に大事である。
大切で必要なことと言った方がいいかもしれない。


渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



#034 2007.08 結論
#033 2007.06 自分の使用する材料
#032 2007.05 椅子の修理・張り替え
#031 2007.04 建築パーツ
#030 2007.03 飯田水引
#029 2007.02 神戸の現場
#028 2007.01 床塗り
#027 2006.12 定番商品
#026 2006.11 小物製作
#025 2006.10 どうなっていくか
#024 2006.09 Bayon(バイヨン)
#023 2006.08 細部に手を入れる
#022 2006.07 継ぎ手と見た目とその工夫
#021 2006.06 細くなる材料
#020 2006.05 繰り返し繰り返し
#019 2006.04 家具はメンテナンスフリーではない
#018 2006.03 経験の幅
#017 2006.02 訓練校
#016 2006.01 シンプルに。
#015 2005.12 ビンテージオーディオの修復
#014 2005.11 修理から学ぶ
#013 2005.10 刃物から
#012 2005.09 家具へのアプローチ
#011 2005.08 木製フローリングの伸縮
#010 2005.07 なべぶた
#009 2005.06 わからない程度の調色
#008 2005.05 複製によってわかる事
#007 2005.04 家具から内装へ
#006 2005.03 手に入る材料と向き合う
#005 2005.02 正確な板材から
#004 2005.01 ドアノブプレート
#003 2004.12 木材塗装の退色について
#002 2004.11 special source モリソン小林
#001 2004.10 展示会