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ホーム > モノ作りの現場から > STANDARD TRADE. 渡邊謙一郎 #033



26歳で独立してから、9年間ずっと楢材だけを使用している。
今ではすっかり、「スタンダードトレードトレードと言えば楢材」となり、自分たちの特徴となった。
また、一樹種、楢材専門でやっているのでずいぶんと詳しくなってきました。
ですが、もっと楢材について知りたいので、視察にいってきました。



現在の楢材についての話しをしたいところですが、
くどくなるのと、細かすぎるので
今回は丸太から加工できるまでにかかる材料の流れを
簡単にご説明します。

材木市の会場(先日行ってきたのは北海道産銘木市売)に
所狭しと1500本くらいの丸太が並びます。
これでも少ない方です。



会場をぐるっと見回して、木口をみて皮をみて、
中身の見えない材料を経験から判断し、
良いものを選びます。
裏付けのある経験しか頼りになりません。



会場の2Fにあがって、入札します。
一本ずつ金額をいれて、高値を出した人が落札。
金額で競っているのではなく、
必要材料しか、みなさん買いません。
当然、売れ残りもあるようで元買いになる事もあります。




こういって手に入れた丸太や、
他の方法で仕入れてきた丸太を積んで、寝かします。
川から引いた水を散水して、製材待ちまでアク抜きします。



丸太から材料をひいて、乾燥させるために日に干します。
糊をぬることと、木口に寸法を書き入れた板材で
反り狂いを防ぎます。



必要であれば、人工乾燥にいれて、含水率を下げてきます。
製材ででた木材の端材などでボイラーを熱し、釜に入れます。



そして本格的に桟積みして、数年寝かし、天然乾燥します。

そしてこれが僕の所にくる材料で、やっと使えるようになります。



東京では特に、板材になったものしか
見たことがない方が多く、
材料の金額が高いとか、安いとか言う話しが多いですが、
きちんとした木材は使用できるまでにこれだけの行程と、
数年の時間がかかります。
安い材料が悪いわけではないけれども、
きちんとした金額の国内の材料には
それだけの価値があります。
また、それだけ注意を払って、
加工して家具になった後にも
悪くならないように製材しています。

見る目を養わなければならないことと、
それに見合う仕事をしなくてはならないんだと、
気を引き締める良い機会でした。
また、木材を扱う人間としての責任も学べた、
天気の良い初夏の北海道でした。


渡邊謙一郎 (1972生)
神奈川大学工学部建築学科を卒業後、品川職業技術訓練校木工技術科へ。
(株)ユナイテッドパシフィックス、(株)日進装備にて特注家具製作を学ぶ。
1998年春、千駄ヶ谷に特注家具製作所として STANDARD TRADE. を創立。
2000年冬、横浜に自社工場を設立。
2002年夏、東京都目黒区に事務所移転と共に有限会社スタンダードトレード設立。
2003年秋、目黒区五本木にオリジナルショップをオープンさせる。以後、個人住宅用の家具を中心にオフィス、店鋪等のデザイン設計施工、住宅のリフォームと、デザインと製作の両方の立場からスタッフと共に幅広く手掛けている。



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