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土手内の人達は8月はバカンス気分で仕事を控えめにします。
昼食後は海水浴場に少し寄り道して帰ります。
いつも慣れ親しんで通っている北条の名店「うどん屋」に
今日はヤノッチと加納くんとハイエースにのって昼食に向かいました。
うどん屋の駐車スペースはあまり広くはなく、
キチンと並べてクルマが4台しか停められません。
うどん屋ファンの北条ローカルはそれがわかっているので、
端っこギリギリから詰めて後から来た人も
4台は停められるようにキチンと並べるのがルールです。
もしも4台停まっていれば満車ということで諦めるのですが、
この日は車2台で残りのスペースに1台も停められない
状況になっていました。
1台はキチンと端っこにまっすぐ駐車されているのですが、
もう1台の相模ナンバーの車が真ん中に
中途半端な位置に停めてしまっているのです。
正義感の強いヤノッチはこういうルール違反を
許せない人なので「ちょっと言うてきましょわい。」と言って
飛び出して行きました。
ハイエースを県道沿いに停め、しばらく待っていると、
ヤノッチがおじさんを連れ出してきて、
クルマの置き方を指示しています。
ヤノッチは今年の夏は土手内の中で最も海で遊んだ人で
近所の漁師さんよりも黒くなっていて、
いいサングラスをしているのですが、
それのために風貌が一般の人ではなくなってしまっていました。
後からくる人のことを考えてくれなかった
「うどん屋」ビギナーのおじさんが悪いことは悪いのですが、
ハイエースから見ていると、
コワイ人が善良な市民を脅しているかのようです。
ぼくもこんな人にいきなり声をかけられたら
「ひぃ〜な、なんでしょう?」と言ってしまいます。
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何かをデザインするとき、デザイナーの人が意識していなくても
何かに似てしまったり、何かを連想させてしまうことに
なってしまうと失敗と言っても過言ではないと思います。
ちょっと前にあるメーカーから発表された車が
特徴的なヘッドライトの形がそうさせるのだと思うのですが、
バカボンに出てくる警官の顔に見えてしまったのです。
その車は性能も良く、全体的にはモダンなデザインで
お洒落な婦人をターゲットにしているとも聞いた事があります。
ただ、ライトの形だけが、バカボンの警官の目とソックリで
ぼくはその車を見るとどうしても彼を思い出してしまいます。
発表前に誰かがこの車はバカボンの警官に似ているから
ヘッドライトの形を変更しましょう
と言う人はいなかったのでしょうか?
デザイナーがすでにバカボンを知らない世代だったのか、
社長が外国人でバカボンを知らなかったから
ゴーを出したのかもしれません。
ぼくのように思う人が少数派であれば
売れ行きに問題がないかもしれませんが。
加納くんが装着したサングラスは
どうしてもタモリさんを連想させてしまいます。
デザイナーの人が意図してこうしたのか、
偶然なったのかわかりません。
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ぼくの母校である鴨川中学校のサッカー部の10番
を背負うのはゆういちろうくんです。
ゆういちろうくんは松山市内では強豪の部類にはいる
久枝小学校で一年生の頃からサッカーを始めました。
レギュラーを目指して頑張ったゆういちろうくんでしたが、
5年生のとき腰を痛め、泣く泣くサッカー部を辞めました。
腰を完治させ、中学生になったゆういちろうくんは
再びサッカー部に入部します。
またイチからのスタート。
ゆういちろうくんは控え組から休まず地道に練習をし、
2年生になると左DFとして少しずつ試合に
出られるようになってきました。
夏休みの終わりに三年生が去ったあとの新しいチームの
初めての大会の前、コーチからのメンバー発表のとき、
ゆういちろうくんはDFで名前を呼ばれませんでした。
やはり控えかと肩を落としかけた次の瞬間、
ゆういちろうくんは10番、FWで名前を呼ばれたのです。
ビックリしたゆういちろうくんでしたが、大会はすぐに始まります。
鴨中は予選を1位で通過。
トーナメント戦でも勝ち進みベスト8を争う戦いで
強豪の三津中を1−0で撃破!
しかし次の相手は優勝候補のクラブチーム「帝人」です。
帝人にはかつての久枝小時代のチームメートで
仲良しだったケンゴくんたちもスタメンに名をつらねています。
両チームが整列をして向かい合ったとき、
一人違いナナメの位置にいたケンゴくんは
隣のチームメートを抑えてゆういちろうくんに
握手を求めてきました。
いよいよ試合開始。
予選で小指を踏まれ負傷していたゆういちろうくんでしたが
強力な相手を前に前線で奮闘します。
しかし帝人の圧倒的な戦力に残念ながら屈してしまいます。
地元の子供達だけで結成されている鴨中ですが
ベスト8の大健闘でした。
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オーシャンズの住人、戸田くんは
今年の夏は仕事が大変忙しく、ほとんど遊んでおりません。
土手内の人の中で際立つ肌の白さがそれを物語っています。
今日は夏休み最後の日曜日です。
夏らしいことを全く出来ていなかった戸田くんは
今日だけは土手内の夏を楽しもうと前々から話をしていました。
それでも昼過ぎまで仕事をし、急いで土手内に帰って来て、
夕方から加納くんやヤノッチたちとバーベキューをやりました。
「夏!最高すね!これこれ!」
戸田くんは海パンになり、ビールを沢山飲み、上機嫌です。
ヤノッチがサーフボードで海に入ったのに続き、
戸田くんもサーフボードにのって海に入って行きました。
「ひゃ〜冷たい!気持ちいい!」
僕らは防波堤から楽しそうな戸田くんの様子を見ていました。
「最高!ラストサマーやったー! あ!ポケットに携帯入ってる!」
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