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10/26〜11/1まで三愛ギャラリーにて行われました
「金子ひとみ・小川由利子 展」にはお忙しい中お越し頂き、ありがとうございました。









今回は「染付(そめつけ)」の器を中心に作品を制作しました。
染付とは白磁にコバルトの顔料を用い、
筆で絵を描く技法を言います。
13〜14世紀頃に中国で誕生したと言われています。
中国では青花(せいか)、欧米ではblue and white
と呼ばれ世界中で親しまれてきました。
日本では、藍染め着物のイメージから
染付の名が生まれたそうです。
染付の代表である古伊万里は江戸時代初期、
朝鮮から連れてこられた陶工により
技術が伝えられ佐賀県有田に広まりました。
古伊万里の器はパリの万国博覧会にて称賛され、
その後世界中に輸出されました。

私も古伊万里の器には何度も魅せられてきました。
古来から人々に親しまれてきた「染付」を自らの形に取り入れ、
新たな藍色の姿を表現できたらという気持ちで制作しました。

では今回の作品に至るまでを紹介します。





まずは下準備。
今回は30k程の土を用意しました。
2種類の土を練る所から始まります。


狛犬の小皿


ひょうたんの小皿


みかんの小皿


型紙に合わせ、伸ばした土を切り取ります。


石膏型にのせ、高台を付けます。


乾燥後、やすりをかけ形を整えます。





絵付けの道具。左の赤いものがベンガラ(鉄)、右の黒いのが呉須。


呉須で絵付けをしたところ。


釉薬を掛け、窯詰めをした所。パズルみたいでした。

藍の小付
伸ばした土を好きな形に切り取り、
石膏の上にのせて形を作ります。
高台を付け、土が乾いたら石膏から外します。
完全に乾いたら、やすりをかけ形を整えます。
900度で素焼きをし、呉須で絵付けをします。
呉須は還元焼成で焼くと青く鮮やかな色になります。
透明釉をかけて1250度で焼成し完成です。





カップに付ける取手を乾かしています。


少し乾いたら取手の形に丸めます。


カップと取手を合体。

藍のカップ&ソーサー
ロクロで作ったカップに取手を付け、別にソーサーを作ります。
素焼き後2色の釉薬を掛け分け絵付けをしてあります。


壁掛けの花器


ロクロで筒をひいた所




藍のvase
これもロクロで作ったものを横に倒し、取手を付けて作ります。
器の中央には小さな模様を入れました。


柳と兎の茶碗




藍の抹茶茶碗
教室では良いお茶碗が出来ると、お茶会が行われています。
だから私も参加したいと抹茶茶碗をつくりました。
しかし、あまり面白みがなかったなと反省。








金を蒔いたところ

そして金継ぎに挑戦
一度やってみたかったこと。
本格的にご飯を練る所から始めました。
漆とご飯を練ってひびを埋め乾燥させます。
翌日漆を塗り、金を蒔きます。
乾燥具合が難しかったです。
これももう少し練習が必要です。


金子さんの作品





模様から偶然にも女の人が現れました(金子さん作)

そして今回初めてご一緒した金子ひとみさんは、
今年女子美術大学大学院を修了されたそうです。
卒業後の展示会はすでに5回目という活動的な方。
今回は植木鉢が多く並びました。
金子さんの作品は、様々な釉薬を調合し
素焼き後筆でのせていくという時間のかかる仕事です。 
落ち着いた雰囲気で、渋い色合いの景色
がなんとも素敵でした。


松本涼さんの彫刻作品





金の鹿が神様、お隣が使いの人の様に見えます


鹿の神様(本当に格好良かった)

また手前の部屋では彫刻家松本涼さんの展示会
が行われていました。
「自分の存在の意味を探す」
というテーマで制作されたそうです。
私にはどの作品も神様のようにうつりました。
どの彫刻も目に力があり、
冷静にこちらをうかがっているようでした。




展示会での皆様の心温かい励ましやアドバイス、
大変嬉しく思います。
「今度はあれとこれとこれも作ろう」と
次への創作意欲がわいてきたので、
今回の展示会はとりあえず成功です。
来年は皆さんの心を掴むような作品をつくることを目標に、
また新たな挑戦をしていきたいと思います。



KNUT ceramic studio(クヌート セラミックスタジオ)小川由利子

2002 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 卒業
2004 沖縄県立芸術大学大学院 陶磁器専修 修了
2003 日本クラフト展 出品
2008 KNUT ceramic studio 設立

陶磁器で主にテーブルウェアーを制作。
KNUT(クヌート)としてリサイクル粘土を使用した器を展開。

MAIL yuriko@knut.jp
URL http://www.knut.jp/



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