モノ作りの現場から(アーカイブ) | 読みモノ(アーカイブ) | 最新のコンテンツはこちらです
ホーム > 読みモノ > FACTORY GIRL ファクトリーガール > 小川由利子






これが穴窯です。


作品を詰め終わった所。窯の中は屈まないと入れない大きさです。


下の入り口から薪を入れて火をいれます。




メラメラ燃える火は力強く、美しい。


炎が窯内部を包みこみます。


空気を取り込もうと、火は外まで出てきます。


1週間位かけて焼きあがりました。そしてまた一週間位かけて冷まします。


手前は温度が高い為、壺にかかった釉薬が流れ下にくっついてしまいました。壺をはがしているところ。


この穴窯は4列になっています。これが一番奥の列。
手前に比べ灰が余りかかっていないのが解りますか。


出来上がった器たち。



私のお世話になっている陶芸教室サロン ドゥ フラムでは、
昨年末「穴窯」がありました。

穴窯とは手前の入口から薪を入れて火をおこし
陶器を焼く方法です。使う薪は松の木です。
松の木が燃える事により灰になり、
その灰が溶けて自然の釉薬となります。

それにより予想もしなかった器の姿になるのです。


縄文人はまず地面に穴を掘って薪や藁をひき、
そこに土器をのせ焚火のようにして器を焼きました。(野焼き)
それからもっと強い器を沢山作ろうと傾斜面に穴を掘り、
そこに器を並べ穴から薪を入れ
生活に必要な壷や皿などを焼きました。
穴窯の誕生です。

最古の縄文土器は、日本から発見されています。
しかし日本人は縄文土器を1万年もの間
楽しんでしまったため、世界に遅れをとり
エジプトや中国でガラスや銅製品が開発される頃、
ようやく弥生土器へと進化したそうです。
土器や土偶のその姿はとてもユニークで
古来の日本人が相当ハマって作っていたのがよく解ります。

ちょうど今、東京国立博物館では
「国宝 土偶展」(2010年2/21まで)が開催されています。
観てきた人は口を揃えて、面白かったと言っていました。


穴窯と似たようなものに登窯があります。
登窯はいくつかの部屋があり、
各部屋の窓のような所から薪を入れていきます。
これで沢山の陶器を焼く事ができます。
穴窯も同じですが、薪を入れる焚口から坂になっていて、
坂の上には煙突がついています。
下から火を入れる事で外気に引っ張られ、
上の方まで熱が届くという仕組みになっています。
現在はガス窯、灯油窯があります。
そして自動の電気窯は、寝ていても陶器を焼く事ができます。

寝る間もなく5日以上もかけて焼いていた頃と比べ、
この先人様の発明には頭が上がりません。
今は土だって土屋さんが調合してくれるし、ロクロも電動。
何でも便利な時代です。
(土の採掘から薪窯での焼成までをこだわって
やってらっしゃる方は、今ももちろんいます!)
陶芸家と名乗りをあげる今の人たちを昔の職人が見たら、
頭を抱えがっかりするでしょう。
それとも、マイコン式の窯の原理を探ろうと
興味津々に細かく見てまわるのかもしれません。

水道をひねれば水がでてきて、
更には温かいお湯まで出てくるなんて
本当にありがたい時代に生きているのだなと
最近つくづく感じます。

先人の方々の発明は、
現代人の今の生活を支えてくれているのですね。
そして古来の人々が神として崇めた自然は、
今もこれからも私たち生き物にとってとても重要なものです。

最近は機械産業の発展と経済の巡りをよくするためにも、
壊れやすく安いものが人気です。
先日プリンターが壊れて電話をしたら
3、4年が寿命だからしょうがないと言われました。
それも修理にだすより新しく買った方が安いのだとか。
でも5年ぶりに買うプリンターは、
家庭でも更に色々な事が出来るようになっていました。
「すごい!」

5年、いや1年、数か月でどんどん科学技術は進歩します。
壊してしまった自然を取り戻そうとの動きも多くみられますが、
縄文時代のあの頃の日本人のように、
もっと一つ一つをじっくりゆっくり楽しんだって
よいのではないだろうかとも私は思います。

自然のためにも、この先の時代のためにも
本当はすぐに壊れたり、捨てられないようなものを
じっくり作る事が現代の私たち生産者の使命なのかもしれません。




4月に開催されるワークショップでは髪止めやブローチなどのアクセサリーが作れます!

*お知らせ*

2月25日(木)〜4月30日(金)
「 トトテン -トトと5人の作家たち- 」
Knitting : 上田 容子 glass : 大迫 友紀
ceramic : 小川 由利子 ・ 長谷川 智恵 (knut ceramic studio)
metal : 佐藤 江利子(hitin metals)

トトスクにガラス・陶磁器・レース編・金属の作家によるテーブルウェアーが並びます。


※4月11日(日)、4月24日(土)11:00〜
ワークショップ「リサイクル土で作る陶器のアクセサリー」を行います。
詳しくは、トトスクHPでご確認下さい。

平和台の2番出口〜徒歩2分の住宅街の一角にあるトトスクという小さなお店です。
おいしいランチやデザートもありますのでお近くにお越しの際は是非お立ち寄りください!



KNUT ceramic studio(クヌート セラミックスタジオ)小川由利子

2002 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 卒業
2004 沖縄県立芸術大学大学院 陶磁器専修 修了
2003 日本クラフト展 出品
2008 KNUT ceramic studio 設立

陶磁器で主にテーブルウェアーを制作。
KNUT(クヌート)としてリサイクル粘土を使用した器を展開。

MAIL yuriko@knut.jp
URL http://www.knut.jp/



#16 2010.07.05 タイルの町、多治見へ
#15 2010.05.28 陶器もリサイクル vol.2
#14 2010.04.05 陶器もリサイクル
#13 2010.02.15 炎の神様
#12 2010.01.12 鉄子の旅 熊本〜湯布院 編
#11 2009.12.08 小平工房見学会
#10 2009.11.19 藍色のかたち
#09 2009.10.13 nikottoというお店
#08 2009.09.01 京都の前田姉妹
#07 2009.08.15 喫茶店と旅行会社
#06 2009.07.27 沖縄でのはなし
#05 2009.06.08 グリーンを着飾る hitin metals × knut ceramic studio
#04 2009.04.01 やきもの のこと
#03 2009.03.01 人の創造力をのぞく
#02 2009.02.01 おばあちゃんの台所
#01 2009.01.01 はじまりのうつわ