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ホーム > 読みモノ > めざせ!ロッキンオン 17. Radiohead




今まででいいなあと思ったアーティストの、次のアルバムを期待して、
聴いた瞬間に期待以上だったことって、そんなにないですよね。
少し経ってからいいなあと思ったり、まあまあとは思っても、あまり聴かなくなったりがほとんどです。
そんな中でレディオヘッドの「the bends」はアドレナリンが沸騰する程興奮したのを覚えています。
透き通るようなトムヨークの声、寸分違わぬリズムにノイズギター。
レディオヘッドは僕にとって「癒し」てくれる数少ないロックバンドだった。

その後の「OK computer」は何だか哀しくなって癒してくれなかった。ネガティヴになってしまった。
そして「KID A」。僕はこれ以降のはあまり聴いていない。

輝かしい90年代の幕開けを告げたストーンローゼス、
疲弊しきった土壌を浄化したニルヴァーナ、
しかしレディオヘッドはそれらすべてを終わらせて落とし前をつけてくれたけれど、
ロック本来の持つピュアな感性をねじ曲げてしまった。
いや正確に言えば、「the bends」ではなく、「KID A」をリアルタイムで聴いた批評家たちがねじ曲げた。

ローゼスを謳歌した世代から10年。
ここにはすでにロック本来の姿を取りかえしたローゼスやニルヴァーナといった功労者たちを、
リアルタイムで感じられなかった世代がシーンを先導する。
ロックと言うジャンルは音楽の中の一つの情報、サンプルにすぎない。
彼らの求めているものは、新しい音のコラージュの仕方であって、
僕らが「the bends」で求めた「純粋さ」ではない。

ここ数年の音楽雑誌の年間ベストアルバムには、いいとは思えない作品が並び、
良作は50位にもかからない。
ロックの本質を見失った世代の迷走はつづく。
いや、もしかしたらこのねじ曲げられた世界こそが真っ直ぐな正しい世界なのだろうか。
飽和状態の中で歴史に残るようなバンドが現れない2000年代。
60年代、90年代と起こったロックルネッサンス。
次は2020年代まで待たなければいけないのかなあ。
と、こんなことに郷愁を感じながら「fake plastic tree」を聴く。
あの頃よりも今聴く方が、この曲を理解できていることがなんとなく哀しい。
けれどもレディオヘッドの真の姿は、今でもこの曲の中にあると思っている。



Radiohead
1992年。「publo honey」から「creep」がスマッシュヒット。

ポストニルヴァーナ、ニューグランジ、ブリットポップなどと同時に語られる中、94年「the bends」で最高のメロディーを奏で、そのどんなジャンルとも一線を画す進歩的な音を作り上げると、97年「OK computer」でキャリアの頂点を迎える。しかしこの作品により彼らは再びロックを混迷の渦の中に巻き込んだ。そしてHIPHOPとサンプリング全盛の2000年。「kid A」で彼らはロックの世界に2つのジャンルを作った。

「OK computer」以前と以降。いい名前は思い付かないけど、以前のロックはそのうちこう呼ばれるかもしれない。
「オールドスクール」と。

(文&イラスト: special source モリソン小林)



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